公式サイトより

地方映画48都道府県リスト

惑星ラブソング

監督・脚本・プロデューサー、編集 時川英之
撮影 アイバン・コバック
音楽 佐藤礼央
出演 曽田陵介、秋田汐梨、チェイス・ジーグラー、八嶋智人、西川諄、Raimu、谷村美月、川平慈英、佐藤大樹

 

広島を舞台に広島映画を作りつづける広島映画の星、時川英之監督の新作。地方映画作家にはひとつの土地に腰を据えて地方映画を作りつづけるタイプと、地方から地方へと流れてはその土地の映画を撮る流れ者タイプのプロ地方映画監督の二種類がいる。どちらがプロかといえば後者なのだが、好感を持てるのは前者のほうだったり。時川監督、福山市の映画館を舞台にした『シネマの天使』も良かったが、何より前作となる広島県のストリップ小屋最後の日々を描く『彼女は夢で踊る』が映画の出来以上に心に残る映画だった。そんな時川監督の新作、広島映画となれば避けては通れない問題、そうアレについに正面から挑むときがきたのである。ただアレ問題となるとさすがに生半可な態度では取り組めないわけで、ちょっとメルヘンな時川監督の資質がどう出るか……?と思ったのだが、これがなかなかに辛い方向に……

 

 

 

特にやりたいことも見つけられないままアルバイトなどしているモッチ(曽田陵介)は何事にもクールな今どきの若者だ。タウン誌でアルバイトしている幼馴染のアヤカ(秋田汐梨)は、タウン誌のインスタグラム担当も務めているのだが、投稿がバズって10万「いいね!」を集められたらアメリカへの一年間の留学費用一切(学費含む)を出してやる、と雑誌から言われたところ。アヤカのことが好きなモッチは、彼女が遠くに行ってしまうと大ショック。だけどツンデレなのでつい憎まれ口を叩いてしまう(こういうのもう見飽きた……)。

最初はそんなインスタになんか協力しない!と言っていたモッチだったが、たまたま出会った妙なアメリカ人ジョン(チェイス・ジーグラー)をアヤカに紹介する。観光ガイド的インスタなので、外国人を被写体にすればいいねも増えるだろう、というわけだ。さっそくジョンを連れてお好み焼き屋に行くと、「美味しい……!」とジョンは感動のあまり目から光線を出す。それを店主に見咎められそうになるが、何やらおまじないをして相手の記憶を消してしまう。これは……? その後も広島観光で順調にアヤカのためにバズを稼いでいくジョンだったが、ひょんなことからアメリカ人ではないと判明する。

 

 

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