テレビはもう“オワコン”になのか。元NHKアナウンサーでウェブ小論文塾代表の今道琢也さんは「人々がテレビ番組を見る機会・時間は減少傾向にある。最近のテレビのリモコンを見るに、その流れは加速するだろう」という――。(第2回)


※本稿は、今道琢也『テレビが終わる日』(新潮新書)の一部を再編集したものです。


リモコンでテレビのチャンネルを変える手

写真=iStock.com/MA Vega

※写真はイメージです



テレビのリモコンについた“あるボタン”

テレビ離れについて考察する上で、最後にもう一つ注目しておかなければならないことがあります。それは、テレビのリモコンのボタンの変化です。


最近のテレビのリモコンには、YouTubeやAmazon Prime Video、Netflixなどにダイレクトにつながるボタンが備え付けられているものがあります。電源を入れてYouTubeのボタンを押せば、即座にYouTubeのサイトにつながり、視聴することができます(テレビをインターネットに接続している場合)。


ネット動画を見たいと考えている人にとっては大変便利な機能です。このタイプのリモコンがなくても、テレビをインターネットに接続する方法はいくつかありますが、はじめからリモコンにネット動画のボタンが付いていると、ネット動画へのアクセスがとても容易になります。


前にも述べましたが、私自身も、このタイプのリモコンがついたテレビに買い換えたところ、以前よりも、「テレビ番組」を視聴する時間が大幅に減ってしまいました。テレビをつけても、圧倒的に「ネット動画」を見ることの方が多くなったのです。もっと若い世代ではネット動画ばかりを見ているのではないでしょうか。


子育て世代の人に話を聞いてみたところ、「子ども達はテレビでネット動画しか見ていない」と言います。私は、この小さなボタンが、今後のテレビ視聴に決定的な影響を与えるのではないかと考えています。


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