たまたまアマプラのトップページで見つけ、現在公開中の劇場版「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」の前日譚にあたる物語であることを知り、鑑賞してみました。

ストーリーは、ロビエト連邦の空港で爆破テロに巻き込まれた銭形警部が、現場でルパン三世の姿を目撃し、その後に駅で見かけたルパンを列車内で拘束するも、仲間の次元大介の助けにより取り逃がしてしまい、一方でルパンをアルカ合衆国のスパイでありテロ実行犯であると断定したロビエト連邦国家保安委員会のカラシコフもルパンを追っている中、そこに現れた偽ルパンが爆破テロを起こし、事態は混沌を極めていくというもの。

キャラデザは、これまでに描かれた数々のルパンの中ではけっこう劇画寄りです。それに合わせて背景等も緻密に描き込まれ、全体の質感や重厚感が増しています。ルパンに定着しているおちゃらけたイメージは、本作からはほとんど感じません。

もちろんストーリーもなかなかのハードボイルドで、大人の雰囲気が漂います。時代設定はやや古いようで、米ソ対立の構図をなぞらえたような舞台背景ですが、作品全体の世界観としてはよくまとまっているように感じます。

そんな中、銭形とルパンの信念がぶつかる感じが悪くなく、爆破テロの裏で暗躍する権力者を出し抜く展開も痛快です。最終的に偽ルパンの正体が判然としないのは不満が残りますが、劇場版の前日譚と思えばしかたないです。劇場版への期待が高まります。

とはいえ、劇場版の予告で、おそらく黒幕と思える人物をはっきり見せているのはちょっと残念。本作でも、偽ルパンが「変装」でないことや一瞬映るあの人物の姿で、やっぱりと思わせてしまうのももったいないです。それとも、これがミスリードで、劇場版で大どんでん返しが待っているのでしょうか。続きが気になります。

キャストは、栗田貫一さん、大塚明夫さん、浪川大輔さん、沢城みゆきさん、山寺宏一さん、堀内賢雄さん、北西純子さんら。

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