去年、陸前高田市を舞台に撮影が行わたフィリピン映画が完成し、2日間にわたってロケ地・陸前高田で上映会が開かれました。来年春には東京や盛岡の劇場でも公開される予定です。
東日本大震災から13年経った陸前高田を舞台に、去年春に撮影されたのは、日本とフィリピン共同制作の映画「この場所」です。
監督は2013年から陸前高田を中心に10年以上アーティスト活動を行ってきたパセナさん。
主演はフィリピンの俳優・ギャビー・パディーリャさんと日本人俳優・中野有紗さんのダブルキャストで、ギャビーさん演じるエラと中野さん演じるレイナ、2人の女性が家族の形を探る物語です。
完成した映画は去年夏、フィリピン最大のインディペンデント映画祭「シネマラヤ映画祭」で最優秀監督賞など4つの賞を受賞し、現地で高い評価を受けました。
そして、20日と21日に、映画の舞台となった陸前高田市で開かれた凱旋上映会。
監督のパセナさんと主演のギャビーさんも駆けつけ、舞台挨拶を行った後、映画が上映されました。
スクリーンに映し出される、東日本大震の被害や復興する街並み、そこで苦悩しながら生きる家族の姿に、訪れた市民や観客は見入っていました。
市民
「丁寧に描いてあるなと思って、すごく時間がゆっくり経つような感じで楽しみました」
「(陸前高田の)きれいなところを映してくれてよかったなと、こういう所もあるんだと。すごくよかった」
ハイメ・パセナⅡ世監督
「きょうは最もうれしいです。この映画をこの街で上映できたこと。この映画は私にとって街へのラブレターのようなもので、ここにいる皆さんにこの映画を見てもらえることが本当にうれしい」
映画「この場所」は、来年春に劇場公開される予定で、盛岡など県内でも上映されることになっています。