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演劇や映像作品を音楽で彩る「劇伴」。「劇中伴奏音楽」を略したこの言葉は、映画やアニメ、ゲームといった多岐にわたる作品において、場面の感情や情景を繊細に描き出す音楽を指して使われる。作品を支える縁の下の力持ちとして必ずしも観客の注目を集めることはなかったが、近年状況は大きく変化。作品世界への没入感を深め、登場人物の心情を鮮やかに彩る劇伴の魅力に関心が高まっている。

●音楽フェスやシネオケなど「劇伴」が織りなす感動体験

劇伴の魅力を体験する新たな舞台として、2022年からアニメ劇伴に特化した音楽フェス「京伴祭-KYOTO SOUNDTRACK FESTIVAL」が開催されている。『僕のヒーローアカデミア』や『ハイキュー!!』などの音楽を手がける林ゆうきの呼びかけにより、劇伴作曲家が一堂に集結。アニメ作品と音楽の生演奏が融合する注目のイベントで、2025年は9月20日から2日間に渡って京都で開催される。

映画界においても、劇伴の存在は必要不可欠。4月にはダニー・エルフマンによるティム・バートン監督作品の映画音楽コンサートがおこなわれ、伝説的な楽曲の数々がフルオーケストラの生演奏で披露された。さらに5月には『パイレーツ・オブ・カリビアン』やクリストファー・ノーラン監督作品で知られる巨匠ハンス・ジマーが、ついに日本初ライブを開催。ハリウッドを代表する作曲家たちの来日は、劇伴への関心の高まりを象徴している。

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近年注目を集めるシネマ・オーケストラでは、スクリーンでの映画上映にオーケストラの生演奏を組み合わせることで、観客に映画館以上の臨場感をもたらしてくれる。名画に寄り添ってきた劇伴を生演奏で感じる体験は、観客をより深い興奮と感動へと導いてくれるだろう。

数多くの劇伴作家の中でも、異例の武道館公演や海外ツアーを成功させているのが、『魔法少女まどか☆マギカ』や『鬼滅の刃』の主題歌などで広く知られる梶浦由記だ。その比類なき作曲家の発想の源泉に迫る一冊が、「6,000曲の“パレード”作曲家・梶浦由記 異才の流儀」。本書では彼女のルーツとなった幼少期の音楽体験や、楽曲制作への情熱がインタビュー形式で語られている。長年のファンはもちろんのこと、劇伴制作の奥深さを探求し、その創造の源流に触れたいすべての人にとって、貴重な一冊となるはずだ。

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曲を聴くだけで情景が目にうかび、登場人物たちの心情までもが伝わってくる劇伴の力。映像や舞台作品と音楽が織りなす豊かな表現に気づけば、これまで以上に劇伴の奥深い魅力に心奪われることだろう。

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