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現在、大ヒット上映中の映画『ファーストキス 1ST KISS』と『片思い世界』。両作品の脚本を手掛けているのが、奇才・坂元裕二だ。今回は、ドラマ・映画ともに大ヒット作品を連発する坂元裕二の、これまでのフィルモグラフィを振り返ってみたい。

●人に寄り添い言葉を紡ぐ坂元裕二の世界

まずは坂元の来歴を簡単に紹介しよう。1987年、坂元は弱冠19歳で「第1回フジテレビヤングシナリオ大賞」を受賞し脚本家デビューを果たす。柴門ふみ原作のトレンディドラマ『東京ラブストーリー』の脚本を坂元が手掛けたのは、若干23歳のときだった。

最高視聴率32.9%を記録した同作は、「月曜の夜9時になると街からOLが消える」とも言われるほどの社会現象に。以降もドラマを中心に意欲的に脚本執筆に取り組み、大ヒット作を飛ばし続けることとなる。香取慎吾主演の『西遊記』や菅野美穂主演の『愛し君へ』など、そのジャンルは多岐にわたる。

人間同士の心の機微を繊細に描き、社会問題に深く切り込む脚本は高く評価され、『わたしたちの教科書』で向田邦子賞、『Mother』で橋田賞、『それでも、生きてゆく』で芸術選奨新人賞、『最高の離婚』と『Woman』で日本民間放送連盟賞最優秀賞、『カルテット』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞するなど、受賞歴は大変華々しい。

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坂元が手掛ける脚本の魅力はどこにあるのだろうか?そのひとつが、思わず「あるある!」と思わせる登場人物たちの言動にある。坂元は会話劇の名手とも言われており、何気ない言葉のやりとりが絶妙にリアルなのだ。言葉の端々に登場人物の人となりが表れて、体温のある身近な人物になる。もしくは、観る側が自身に投影するのだろう。だからこそ、登場人物に感情移入してストーリーに引き込まれる。

坂元が初めて映画オリジナル脚本を書き下ろした、2021年公開の『花束みたいな恋をした』はそんな会話劇の真骨頂だった。2023年には是枝裕和監督、作曲家・坂本龍一とともに制作した『怪物』でカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞し、世界から賞賛を浴びたのも記憶に新しい。

現在上映中の『ファーストキス 1ST KISS』は、坂元作品4作目となる松たか子の主演作品。彼女の夫役を松村北斗が演じている。夫を事故で失った妻が、出会った頃にタイムスリップを繰り返し、夫を失わない未来を探し求めるラブストーリーとなっている。何度も出会い、何度も恋に落ちる2人。夫婦とは何か?人を愛することとは?会話劇の名手である坂元は、シンプルで難しいこの問いを、一体どのように描いたのだろうか。ぜひ劇場で確かめたい。

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坂元裕二シナリオブック

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