3月25日から27日にかけて3夜連続でNHK BSP4Kで放送された『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ』シーズン3が、NHK総合にて6月9日から12日にかけて放送されることが決定した。
『ドラえもん』『パーマン』『キテレツ大百科』など、児童漫画の名作の数々を送り出してきた藤子・F・不二雄。そんな藤子は、1969年に大人向けコミック誌に発表したSF『ミノタウロスの皿』をはじめ、生涯にわたり、刺激的でシュールな味わいのあるSF短編を多く執筆していた。その作品数は110以上に上り、未知のウイルスによる未曽有の災厄、核戦争の脅威、食糧危機と超高齢化、神の領域まで浸食する生命科学技術など、21世紀の世界を藤子が予見していたかのような物語が描かれている。
シーズン3では、恋人ふたりとヤクザ組長の身体がめまぐるしく入れ替わる『換身』、突如現れた未来の“自分”からの要求を描く『タイムマシンを作ろう』、ある山での体験を機に“俺”が増殖する『俺と俺と俺』、奇跡を起こす能力を身に着けたと信じる男の物語『ミラクルマン』、飛行機事故を生き延びた男女が見た地球を描く『みどりの守り神』(前後編)、キュートな宇宙生物と少年との交流を描く『宇宙(そら)からのオトシダマ』、大きな石を売り歩くセールスマンが思いついた妙案を描く『オヤジ・ロック』、宇宙からやってきた不思議な能力を持つ隣人の物語『異人アンドロ氏』、少年が組み立てたロボットが感情をもつようになる『マイロボット』、夫婦関係に悩む男が人生のやり直しへと誘われる『分岐点』、伝説の昆虫を追う少年少女のひと夏の幻想体験『ユメカゲロウ』の11本が放送される。
6月9日放送の『換身』(脚本・演出:倉本美津留)には、尾上松也、のん、亮太、押田、尾関高文、佐野史郎、六平直政が出演。6月10日放送の『タイムマシンを作ろう』(脚本:本多アシタ、演出:安村栄美)には、市村優汰、蒼井旬、山田真歩、佐戸井けん太、市村正親が出演。6月11日放送の『俺と俺と俺』(脚本・演出:家次勲)には、矢本悠馬、尾倉ケント、山崎紘菜が出演。6月12日放送の『ミラクルマン』(脚本・演出:村井敦)には、前野朋哉、柄本時生、玉城ティナ、大久保佳代子、新納慎也、大澤幹朗(声)、ジェレミー・フォルツ、スノーM、ミッキー・カーチスが出演する。
地上波放送日決定にあわせて、キャストからのコメントと、漫画の世界にキャスト陣が入り込んだようなビジュアルも公開されている。
『換身』キャストコメント
尾上松也
今回「換身」に出演させていただき、海野五郎を演じました。
お話の中で、何度も人格が変わりとても難しかったのですが、演じていてとても楽しかったです。
キャスト、スタッフの皆様も素晴らしく、あっと言う間の撮影でした。
また別の作品でも出演してみたいと切に願います。
藤子・F・不二雄ワールドがふんだんに詰め込まれた本作を、皆様にも楽しんで頂けますと幸いです。
のん
藤子・F・不二雄先生といえば!ですが、大長編「ドラえもん」を読んでいました。
小さい頃から「ドラえもん」や「キテレツ大百科」はアニメでテレビに齧り付いて観ていたので、その世界を作り出したF先生の物語に飛び込むことができるなんて夢のようです。
森山みどりといいつつ、一人二役のような感じで、六平さんと尾上さんは三役ですし、みんなで役を入れ替えていく作業はワクワクしました。みなさま、F先生のSF「少し不思議」な物語、ぜひご覧ください。
『タイムマシンを作ろう』キャストコメント

市村優汰
ドラマで親子共演をすることが出来て不思議な感覚でした。
藤子・F・不二雄さんの作品の実写化に出演させてもらえるのは光栄だと思ったし、SF作品を僕自身が好きなので、やっていて楽しかったです。原作を知っている方も楽しんでいただける作品になっていると思いますので是非ご覧ください。
市村正親
未来の松井を演じてみて、自分があんなに老けているのはがっくりですが、心は変わっていないのかなと感じました。人間、姿形が変わっても心は変わらずにありたいものですね。今回の作品は、未来的だけどその中に日常があるんだなとしみじみと感じられる世界で、この想像の世界を描けるF先生に尊敬の念を抱きました。親子で初共演…恥ずかしながらこんな面白い作品はないです。自分の息子が親に向かって「成れの果てはこんな顔なのか」と言った時はショックと同時に、「お前もいつかこうなるんだぞ」と喜びも生まれました。「僕は僕なりに生きてきた。お前も僕とは違った道でもいいから楽しい人生を送ってほしい」という気持ちです。F先生の描く、未来の中の日常の話になっています。市村親子が演じるやりとりは滑稽で面白く、そしてほっこりしているのでどうぞお楽しみください。
『俺と俺と俺』キャストコメント

矢本悠馬
小学生の頃、「ドラえもん」を皮切りに「パーマン」、「キテレツ大百科」、「エスパー魔美」、「チンプイ」などを読んで絵を真似て描いてみたり、将来は漫画家になりたいと思うほど影響を受けた藤子・F・不二雄先生の世界にダイブできるなんて、役者という仕事についたご褒美!幸せな時間を過ごすことができました。
「俺と俺と俺」、題名通り矢本悠馬が画面に3人出てきます。
それだけでわくわくしません?
山崎紘菜
わずかな時間でしたが、藤子・F・不二雄SF短編ドラマシリーズに出演させていただけたこと、今回が3度目の共演となる矢本さんとまたご一緒できたこと、とても光栄でした。ひとり二役以上も必要な今作ですが、難しい役どころを矢本さんがどう演じられるのか、また映像として何人もの弘がどのように表現されているのか、一視聴者としてとても楽しみにしています。
『ミラクルマン』キャストコメント

前野朋哉
奇跡を起こす力を手に入れた男と、それは奇跡ではないと合理的に説明する男、この2人のやり取りだけでもこの話は面白いのですが、主人公木関の性格や「奇跡」の使い方に藤子F節の毒気を感じました。
主人公はのび太であり、自分であり、貴方だと思うのです……。
この物語の何が「奇跡」なのかひとそれぞれ楽しんでご覧いただけますと嬉しいです。
柄本時生
以前から仲良くしていただいていた前野先輩との共演で長いセリフのやり取りができて、楽しかったです。ヘンテコなお話です。もし自分がミラクルマンになれたら何をしたいか、ぜひ考えながら観てみてください。
玉城ティナ
ミラクルマンのパワーはすごい。でもタカネは、ただ“ミラクルマンの力”だけでそこにいるわけじゃない。きっと彼女自身の意志で、この世界をちゃんと見つめているのだと思います。目に見えるものだけがすべてだと言われがちなこの時代だけど、もし自分にもどこかにミラクルな力が宿っていると信じられたら。それだけで少し、毎日が楽しくなるような気がします。
■放送情報
『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ』シーズン3
NHK総合にて、6月9日(月)〜12日(木)22:45~23:00放送
NHK総合にて、6月13日(金) 24:35〜4作一挙放送
『換身』
6月9日(月)22:45~23:00放送
出演:尾上松也、のん、亮太、押田、尾関高文、佐野史郎、六平直政
脚本・演出:倉本美津留
『タイムマシンを作ろう』
6月10日(火)22:45~23:00放送
出演:市村優汰、蒼井旬、山田真歩、佐戸井けん太、市村正親
脚本:本多アシタ
演出:安村栄美
『俺と俺と俺』
6月11日(水)22:45~23:00放送
出演:矢本悠馬、尾倉ケント、山崎紘菜
脚本・演出:家次勲
『ミラクルマン』
6月12日(木)22:45~23:00放送
出演:前野朋哉、柄本時生、玉城ティナ、大久保佳代子、新納慎也、大澤幹朗(声)、ジェレミー・フォルツ、スノーM、ミッキー・カーチス
脚本・演出:村井敦
写真提供=NHK
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