──草彅さんは「役作りをしない」とよくおっしゃっていますが、この作品でもそうだったのですか?
草彅 はい。僕、基本的に焦ってるんですよ(笑)。でも逆に、その“焦り”の中でしか出ない表情や空気ってあると思うんです。考えすぎると作り物になってしまうから。監督の顔色とか、現場の空気を感じながら、”今ここに立つ”。それが僕にとっての演技です。
樋口 それができるのは、俳優として信頼しているからなんですよね。説明しすぎず、でも迷ったら絵で共有する。そのやり取りが、20年の時を感じさせない、近い距離感になっていたのかもしれません。
──再びおふたりでタッグを組むとしたら、どんな作品がいいと思いますか?
草彅 監督が「これかっこいい」と思う役がいいです。寡黙な男でも、アクションでも。樋口組は“本気で遊べる場所”なので、またそこに呼んでもらえるなら全力で挑みます。
樋口 これからの彼には“クリント・イーストウッド的な老成”が待っている。年齢を重ねても、静かさの内側に熱を宿す。そういう存在になっていくと思う。だから、次は20年後ではなく、近いうちにもう一度、一緒にやりたいですね。
Netflix映画『新幹線大爆破』
Netflixにて独占配信中
写真・内田裕介
スタイリング(樋口真嗣)・三島和也(tatanca)
スタイリング(草彅剛)・栗田泰臣
ヘアメイク(草彅剛)・荒川英亮
文・立田敦子
編集・遠藤加奈(GQ)
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