批評家にしてビートメイカー、そしてMCでもある吉田雅史の新しい単著、『アンビバレント・ヒップホップ』が本日3月7日、ゲンロンより刊行される。アメリカだけでなく日本のラッパーについても紙幅が費やされているが、各章のタイトルを眺めてみると「フロウ」「ビート」といった音楽的なテーマはもちろん、「リアル」「オーセンティシティ」「風景」といった興味深い切り口も用意されている。ヒップホップやそれをとりまく状況について考えたいとき、いろいろとヒントになってくれそうな本だ。電子批評誌『ゲンロンβ』での連載をもとにしつつも、大部分が書き下ろしという気合いの入った1冊。ぜひ手にとってみよう。
吉田雅史
アンビバレント・ヒップホップ
ゲンロン
四六判並製/424頁