アイヌ民族の壮絶な歴史を描いた映画『カムイのうた』より、11月の北海道先行公開に先駆け、予告映像(30秒バージョン)が解禁となった。

 本作は北海道の厳しくも豊かな自然と共存して生きてきたアイヌ民族で、その民族に伝わる叙事詩ユーカラを若干19歳という若さで見事な日本語に翻訳し、民族の文化を後世に残した実在の人物、知里幸恵をモデルとして描いた物語。

 北海道の先住民として独自の文化を築いてきたアイヌ民族は、和人(大和民族)によって差別と迫害の日々を余儀なくされる。同じ民族ではないという理由だけで――。

 この30秒バージョンの予告映像では、冒頭に登場する北海道の大自然とそれを見守るシマフクロウ。そして、主要キャスト陣の名シーンを紹介。本作のメガホンをとった菅原浩志監督は四季折々の北海道の雄大な自然美と、自然と共存したアイヌ民族の歴史を描き、現代の自然と文化に警鐘を鳴らしていく。

■あらすじ
 アイヌの心には、カムイ(神)が宿る――学業優秀なテルは女学校への進学を希望し、優秀な成績を残すのだが、アイヌというだけで結果は不合格。その後、大正6年(1917年)、アイヌとして初めて女子職業学校に入学したが土人と呼ばれ理不尽な差別といじめを受ける。

 ある日、東京から列車を乗り継ぎアイヌ語研究の第一人者である兼田教授がテルの叔母イヌイェマツを訊ねてやって来る。アイヌの叙事詩であるユーカラを聞きにきたのだ。叔母のユーカラに熱心に耳を傾ける教授が言った。「アイヌ民族であることを誇りに思ってください。あなた方は世界に類をみない唯一無二の民族だ」

 教授の言葉に強く心を打たれたテルは、やがて教授の強い勧めでユーカラを文字で残すことに没頭していく。そしてアイヌ語を日本語に翻訳していく出来栄えの素晴らしさから、教授のいる東京で本格的に頑張ることに。同じアイヌの青年・一三四と叔母に見送られ東京へと向かうテルだったが、この時、再び北海道の地を踏むことが叶わない運命であることを知る由もなかった…。

出演:吉田美月喜、望月歩、島田歌穂、清水美砂、加藤雅也
監督・脚本:菅原浩志
プロデューサー:作間清子
主題歌:島田歌穂
製作:シネボイス
製作賛助:写真文化首都「写真の町」北海道東川町
配給:トリプルアップ
(C)シネボイス
上映時間:125分 公式サイト:kamuinouta.jp

Write A Comment

Pin