人生100年時代、病気や老化をできるだけ予防し健康を維持することが人生の土台となります。

「死ぬまで健康」「ピンピンコロリ」への関心度が高まることに比例して、注目されている分野が「予防医学」です。

このたび、世界文化社は登録者数50万人超の人気YouTubeチャンネル「予防医学ch」を運営する、医師・森 勇磨氏による書籍『怖いけど面白い予防医学』を、3月19日(日)に発売しました。

本書では、病気になると生活はどのように変わるのか? 身体はどうなるのか? 大病を予防するためにできることは? など、気になる切り口で「予防医学」について現役医師が解説。ウートピでは特別に本書の一部を抜粋してご紹介します。(この記事は、全3回の第3回)

『怖いけど面白い 予防医学』(世界文化社/1870円税込/好評発売中)

排泄物が出す危険サイン

体のなかの異常をとらえるのに、ときに有効なのは“排泄物”だ。

まず、気道の粘膜で作られる“痰”。

肺がんなどの肺の病気があれば、肺からの出血が痰に絡み、血混じりの“血痰”となって体の外に排出されることがある。特にヘビースモーカーの血痰は要注意だ。

便の色や形に注目する

便もたまには注意して確認してほしい。たとえば、消化管にできた腫瘍からの出血の影響で、便の色が変色することがある。

胃がんの場合は、胃からの出血が十二指腸、小腸、大腸を通過する過程のなかで黒く変色していき、まるでイカスミパスタを食べたあとのように“黒い便”として排出されることがある。

大腸がんなどであれば、出血が新鮮な状態で体の外に出るので、“赤い鮮紅色”の混じった便として排出される。

痔の場合も血混じりの便が出るので判別が難しいところだが、長く血便が出ている場合は一度病院を受診しておいたほうがよいだろう。

また、大腸がんの影響で便の通り道が通過しづらくなってしまうと、まるでウサギの糞のような細長い便が排出されることもあれば、便秘気味になることもある。

日常的に起こりやすい変化なので、気づくのは難しい場合もあるが、なにごとも一過性で済まず、一定期間続いたら「何かおかしいかもしれない」と思うようにしたいところだ。

うんちが茶色いワケ

そもそも、なぜ便が茶色なのかご存じだろうか。

この茶色のモトとなる成分は、“血液”に含まれている。血液中に含まれるヘモグロビンが体内での仕事を終え、天寿をまっとうすると肝臓で“ビリルビン”という物質に変換させられる。そしてビリルビンは、胆汁という消化液の成分として肝臓から十二指腸へ放り込まれ、そのまま腸に流れていく。ビリルビンは腸で“ウロビリン”という物質に変化する。このウロビリンが便を茶色く染め上げている。

このようなしくみになっているのだ。

ところが、この胆汁の通り道である“胆管”がすい臓がんなどによってせき止められてしまうと、腸に胆汁が届かない。こうなると、便は“白色”となって体外に排出されてしまう。

おしっこにも注意を

生まれたての乳児の病気に“胆道閉鎖症”というものがある。これは、生まれつき胆道の通り道が閉鎖している病気のことで、この場合乳児は白い便を排出する。

では、腸に届かなかったビリルビンはどこへ向かうだろうか。

胆道が通行止めになってしまうと、胆汁は逆流し、血液から腎臓へ向かい、今度は“尿”として排出される。この場合の尿の色は非常に濃く、「オレンジがかった」と形容したくなるような色をしているのだ。体内の構造は複雑に絡み合っているので、尿や便からは想像もつかないような場所の病気が原因のこともある。

排泄物をあまり確認することは少ないだろうが、ときに興味を持ってあげてほしいと思う。

予防方法

・便の色の異常は要注意。ここで紹介した異常があれば「消化器内科」を受診しよう。
・尿の色がおかしいときは、まず「泌尿器科」受診を。
・受診の際、モノの写真をとっておくと、医者の側としても非常に助かるし参考になる。

(イラスト/ぷーたく)

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