妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

不動産価格はもとより、建築・リフォーム費用の高騰が指摘され始めて久しいが、近年じわじわと人気が上昇してきたリノベーション物件は依然として需要が高いようだ。

「国土交通省によりますと、令和7年度第4四半期のリフォーム・リニューアル工事の受注高の合計は、3兆7037億円で、対前年同期比で10.3%も増加したそうです。

そのうち、住宅に係る工事の受注高は1兆1655億円と、同 27.0%も増え、非住宅建築物に係る工事の受注高2兆538 億円の同4.7%増と比べても、その伸び率は一目瞭然です」 

写真:MaxkyTH / Getty Images

こう話すのは、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏。

「新築よりもずっとお手頃に購入できる物件も多いことから人気のリノベ物件。サステナブル的価値観を持つ人も増えた現代社会にマッチしているのか、ニーズはかなり高まっている模様です。

ただし、リノベ物件を選ぶ際には、修繕・管理状況をよく調べることも重要。また、配管や給湯などが交換してあるのか、交換が可能なのか、さらにWiFi環境、設備やライフラインで困ることがないかどうかを事前にしっかり調べておくことは必須となります」

今回、リノベ団地の購入で後悔している点について話してくれたのは、52歳の会社員女性・Wさん。2歳年上の姉と共にこの物件で暮らし始めて4年が経つという。

「姉は生涯未婚で通すことを決意したのが50歳になる頃で、終の棲家を探すと言って中古マンション選びを開始しました。その頃というのが、私が離婚して1年半ほどが経った時期。姉から『Wも一緒に住む?』と誘ってもらったのが同居のきっかけです」

度々旅行や買い物を共にする「仲良し姉妹」が一緒に暮らすことに否定的だったのは、老齢の両親だけだったという。

「両親はありがたいことにまだ大病や認知症も見られず、とっととサ高住に入居していてマイペースな老後を過ごしていますが、未婚を貫いてきた姉にしばしば『見合いしろ』『結婚もできない女はいくら仕事ができてもダメ』などと圧をかけていたため、出戻りの私と2人で暮らしたら、2人とも結婚・再婚からさらに縁遠くなると大反対されたのです」

しかし、姉は結婚する意思が全くなかったため、すでに空き家となっている実家をそのままにして、リノベーション団地を800万円代で現金購入し、長く暮らした賃貸から転居した。

「実家は祖父の代からのもので、よほど直さないと住めない状態ですが、まだ処分保留になっています。ただ姉は実家の近所の人たちにも悪感情を持っているので、どうしてもよそに安住の地が欲しかったようです」

2人はきれいにリノベされた団地で楽しく暮らし始め、そのレトロおしゃれな様子を、写真や動画に収め、編集を施してSNSで投稿し始めた。すると、フォロワーが急激に増えたそうで…

「40代・50代かなと思われる女性が圧倒的に多かったですね。姉は写真も文章もうまいので、毎回投稿すると褒められちゃって、やめるにやめられなくなったんです。姉は団地購入をすごく後悔しています」

だが、「フォロワー」からは見えない所で、業者が高圧洗浄しても消えない排水設備からの臭いや断熱材不足なのか底冷えする寒さ、隣人の生活音が丸聞こえの薄い壁、たとえ3階でもエレベーターがないと「地味にキツい」点など、住み始めてから後悔を多く感じ、「私もそんな所に住みたい」とコメントを貰っても、本音では「絶対にオススメしない。皆さんは買っちゃダメ」「本当は買わなきゃよかったと思っていることなどは、口が裂けてもフォロワーには言えませんよと述べるWさんだった。

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※本記事で使用している写真はイメージです

【取材協力】平塚俊樹:危機管理コンサルタント【聞き手・文・編集】川路詠子 PHOTO:Getty Images【出典】国土交通省:建築物リフォーム・リニューアル調査報告 (令和7年度第4四半期受注分、令和7年度計) 

 

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