大邱市内の百貨店の眼鏡・サングラス売り場でスマートグラスを試す来店客=写真のメーカーと製品は記事の内容と関係ありません(c)news1

韓国の大学入試で、人工知能(AI)搭載のスマートグラスを使った不正への警戒が強まっている。延世大学とソウル市立大学の随時募集の小論文試験で着用した受験生が見つかり、11月19日の2027年度大学修学能力試験(修能)を前に、教育当局や大学が対策を急いでいる。

韓国教育課程評価院が公表した受験上の注意事項によると、修能の試験中にスマートグラスを着用した場合、使用の有無にかかわらず試験が無効となり、翌年も受験できない。着用していなくても、1時間目の開始前に提出せず所持していれば、その年の試験は無効となる。

大邱地域の大学教授は「修能でも先端機器による不正が起きないとは限らない」と指摘。「監督強化や厳罰よりも、受験生自身が良心に背かないことが大切だ」と語った。一方、チェ・ギョジン教育相は7日の国会教育委員会の国政監査で、試験会場ごとの環境の違いにより、スマートグラスなどの検知に誤りが生じる可能性を指摘した。

大学側も対応を強めている。慶北大学は面接、小論文、実技試験などでAI搭載スマートグラスを含む情報機器の所持を厳しく確認するよう監督者を指導。着用が発覚した場合は試験を無効とすると明記している。

啓明大学は入試の全待機室で、通信可能なスマートフォンやタブレット、スマートウォッチ、イヤホンなどを一括して回収・管理する。学内の定期試験についても、不正行為の処分規定にAI搭載スマートグラスなどの使用に関する内容を追加し、技術の進歩に応じて見直す方針だ。全教員に積極的な監督も求める。

嶺南大学は面接や体育・芸術分野の試験前に、スマート機器による不正について受験生に注意を促す。試験当日の事前説明に加え、金属探知機などによる会場内の検査も検討している。大邱大学も摘発事例を迅速に共有し、入試担当者や監督者への事前研修で不正の手口を周知する。他の受験生が不利益を受けないよう備えるという。

ただ、学習支援に役立つ機能まで使いにくくなることを懸念する声もある。ある大学関係者は、外国人留学生が参加する一部の授業では、韓国語の通訳アプリなどを学習補助として使うため、スマートグラスやスマートフォンの利用を認めていると説明した。授業通訳アプリを購入して留学生に配布するなど、言葉の壁を低くする支援も進めている。留学生が多い大邱・慶北地域では、さまざまなスマート機器が学内で使われている。一方、授業や試験で悪用された場合、大学独自の対応で全てを見抜くのは難しい。

商品自体の人気も高い。16日に取材した大邱市内の百貨店では、撮影や音楽、通訳・翻訳などの機能を備え、通常の眼鏡と見分けにくいスマートグラスが売り切れていた。入荷した十数点が1週間で完売し、供給が追い付かず予約も難しいという。

大邱市教育庁は、監督者向けの注意事項冊子や摘発の手引き、研修動画を作成し、試験会場の関係者に周知する予定だ。同教育庁の関係者は「先端機器による不正が重大な違反だと受験生に十分に知らせ、予防に重点を置く」と話した。

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