妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

厚生労働省が公表した「令和7年 人口動態統計(確定数)」によると、日本の年間出生数は過去最低を更新し続けており、少子化の加速に歯止めがかからない状況が続いている。

「物価高や子育てコストの増加が、若年層の出産・育児への大きな障壁となっているのは事実でしょう。今や『結婚や出産はリスク』とさえ言われてしまう時代です」

そう指摘するのは危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏だ。

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「そんななかでも子育てをしておられる方は、限られた費用でやりくりするためにさまざまな工夫をされています。お下がりやフリマアプリなどを活用した中古品の使用も一般的になりました。エコや節約の観点からは良い傾向ですが、親族間での譲り合いには、時に思わぬトラブルが発生することもあります」

都内のメーカーに勤める会社員の佐藤美咲さん(仮名・41歳)も、まさに「お下がり」にまつわる義実家とのトラブルに頭を抱える一人だ。

「1年前に第1子となる男の子を出産しました。我が家にとっては念願の赤ちゃんでしたし、初めての子育てということもあって、チャイルドシートやベビーカー、ハイローチェアなどは安全性を重視して新品を購入。レンタルも上手に活用しながらでしたが、総額で20万円以上はかかりました」

費用面では、実両親からの手厚い援助に助けられたという。

「実家からの高額な出産祝いには本当に感謝しています。こんなことを言ったらアレですが……夫側の親族からは一銭ももらっていません。住んでいる地域も離れていますし、『お祝いを贈り合わない文化なのかな』くらいに思っていたのですが……」

徐々に雲行きが怪しくなったのは、今年に入って夫の妹(義妹)の妊娠が発覚してからだった。

「普段は滅多に連絡してこない義母から突然電話がかかってきて、まず驚きました。そして、その内容にも正直ドン引きしてしまって……」

ーーベビーグッズ、もう使わないものあるでしょ? 全部まとめて実家に送ってちょうだいよ。

一瞬、何を言われているのか分からなかったという美咲さん。言葉に詰まっていると、義母は矢継ぎ早に言葉を重ねてきた。

ーーベビーベッドとか、バウンサーとか。ほら、哺乳瓶の除菌ケースも持ってるでしょ?

要するに「自分たちは購入したくないから、持っているものを一式譲れ」という要求だったのだ。

「あまりの図々しさに呆れてしまいました。私が『まだ使っているものもあるので』とやんわり断ると、ボソッと『ケチねぇ』と吐き捨てられて……。世の中にこんなことを言う人がいるんだと驚きました」

その日はなんとか電話を切ったものの、翌日には義妹本人からも連絡が入ったという。

ーーお義姉さん! 使ってないグッズがあるってママから聞きました。里帰り出産するから、実家に送ってくれたらいいので!!!

「親子揃って本当に常識がないな、というのが本音です。自分の経験から『買わなくていいものとレンタルで済むもの』を教えてあげて、『譲れるものだけ譲るね』と言って電話を切ったのですが……。後日、いきなり義母がうちに突撃してきたんです」今も驚きを隠せないといった表情を浮かべる美咲さんだった。

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※本記事で使用している写真はイメージです。

【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】河本美乃里 PHOTO:Getty Images 【参考】厚生労働省|令和7年 人口動態統計(確定数)の概況

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