株式会社Finatextホールディングス傘下の株式会社Finatextは、住友生命保険相互会社および株式会社アイリックコーポレーションと共同で、乗合保険代理店(複数の保険会社の商品を取り扱う代理店)向けのデジタル支援ソリューションの開発を開始した。本ソリューションは、生成AI(学習データに基づき、新しい文章や回答を自動生成する技術)を活用し、顧客の意向把握から商品提案、比較推奨、証跡管理(募集プロセスの記録を保存し、後から検証可能にすること)までを一体的に支援するものである。

法改正による「ハ方式」廃止と代理店の自立支援

2026年現在の保険業界は、大きな制度転換期にある。2026年6月1日に施行された改正保険業法に加え、同年8月には金融庁が比較推奨販売に関する指針を明確化した。これにより、代理店が特定の保険会社や商品をあらかじめ決めて推奨する「ハ方式」が事実上廃止され、顧客の意向に基づいた客観的かつ合理的な選別と、その理由の説明が義務付けられた。さらに、保険会社から代理店への過度な便宜供与や出向者を通じた販売支援のあり方も厳格に見直されており、代理店には自立的な業務運営と高度なコンプライアンス(法令遵守)態勢の整備が求められている。こうした背景から、募集人の経験やスキルに依存せず、透明性の高い募集プロセスを実現するデジタルソリューションへの需要が急速に高まっている。

AIエージェントによる募集プロセスの自動化と透明化

本ソリューションでは、Finatextが提供する金融機関向けAIソリューション「Finstage(フィンステージ)」を基盤に採用する。AIエージェントが顧客との対話内容や既契約情報を分析し、追加ヒアリング項目の提案や顧客意向の整理、商品候補の抽出、選定理由の提示を自動で行う。これにより、募集人は客観的なデータに基づいた合理的な提案が可能になる。また、アイリックコーポレーションが保有する「ASシステム」の商品データベースや保険証券分析機能を融合させることで、複数社の商品を横断した詳細な比較を可能にする。さらに、募集プロセスの全履歴を自動で記録・保存する機能を備えており、内部監査や当局への対応負担を大幅に軽減する。特定の保険会社や商品に偏らない中立性と透明性の確保が、開発方針の核となっている。

グローバルな知見の活用と今後の展望

本プロジェクトには、住友生命のシンガポール子会社であるシングライフが培ったデジタル保険分野の知見やCX(顧客がサービスを通じて得る体験価値)設計のノウハウも投入される。Finatextは、これまでIFA(特定の金融機関に属さない独立系ファイナンシャルアドバイザー)向けに提供してきた「Finstage マネーコンシェルジュ」の実績を活かし、募集品質の均質化と業務効率化の両立を目指す。今後は、3社の強みを融合させることで、法改正に対応したコンプライアンスの高度化だけでなく、データ利活用による代理店の自立的な成長を支援するプラットフォームとしての展開を加速させる方針だ。

出典:Finatextホールディングスプレスリリース(PR TIMES)

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タグ: AI, DX, 規制・認証

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