ジョン・G・タルコット・ジュニア <span style="font-size: 15px; font-weight: bold; ">104歳</span><br>第二次世界大戦当時の軍服に身を包み、キャデラックに乗ったタルコット。米国マサチューセッツ州プリマスで行われた独立記念日のパレードで先導役を務めた。(PHOTOGRAPH BY FRITZ HOFFMANN)

ジョン・G・タルコット・ジュニア 104歳
第二次世界大戦当時の軍服に身を包み、キャデラックに乗ったタルコット。米国マサチューセッツ州プリマスで行われた独立記念日のパレードで先導役を務めた。(PHOTOGRAPH BY FRITZ HOFFMANN)

健康で長生きできる人は何が違うのか。今、遺伝子から長寿の秘密を探る研究が進んでいる。

 1月のすがすがしい朝、ミニバンを運転して、山道を登っていく遺伝学者がいた。ここはイタリア本土の最南部に位置するカラブリア州。道の両側には、果樹園やオリーブ畑が広がり、オレンジの木々がおいしそうに熟れた実をつけている。遠くには、雪化粧したアスプロモンテ山地の峰々が見える。

 運転している遺伝学者は、カラブリア大学のジュゼッペ・パッサリーノ。車には、共同研究者で老年医学の専門家、マウリツィオ・ベラルデッリが同乗している。二人がこれから向かうのは、モロキオ村だ。村の人口2000人ほどのうち、99歳が4人、そして、100歳以上が4人もいるという長寿の村である。

 村に着くとまず、106歳のサルバトーレ・カルーソに会った。「ウ・ラッジュネリ(会計士)」というあだ名をもつカルーソは、自宅の暖炉の前でタブロイド紙を広げ、世界の終わりについての記事を静かに読んでいた。暖炉の上には、「1905年11月2日生まれ」と書かれた出生証明書の写しが、額に入れて立ててある。

サルバトーレ・カルーソ <span style="font-size: 15px; font-weight: bold; ">106歳</span><br>イタリアのカラブリア州モロキオ村在住。この年齢になっても自分の足で歩き、眼鏡は不要。ダンテを暗唱し、孫たちと歌を歌って楽しむ。オリーブを家族総出で手摘みする光景が、人生最初の記憶だ。張った網の上に実を落として収穫するようになった今でも、収穫を手伝い、オリーブ油づくりに参加している。(PHOTOGRAPH BY FRITZ HOFFMANN)

サルバトーレ・カルーソ 106歳
イタリアのカラブリア州モロキオ村在住。この年齢になっても自分の足で歩き、眼鏡は不要。ダンテを暗唱し、孫たちと歌を歌って楽しむ。オリーブを家族総出で手摘みする光景が、人生最初の記憶だ。張った網の上に実を落として収穫するようになった今でも、収穫を手伝い、オリーブ油づくりに参加している。(PHOTOGRAPH BY FRITZ HOFFMANN)

 二人の研究者に健康状態を聞かれて、カルーソは元気だと答えた。彼の記憶力は驚異的だ。1913年、まだ少年だった頃に父親が死んだこと。1918〜19年に大流行したインフルエンザで、母親と兄弟が危うく死にかけたこと。軍隊にいた1925年に事故で脚を2カ所骨折し、それが原因で除隊になったことを、すべて鮮明に覚えている。

 長寿の秘訣を尋ねられると、カルーソはいたずらっぽくこう答えた。

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