発達障害の子が思春期に心の不調を抱える「二次障害」とは?

発達障害やグレーゾーンの子どもは、思春期以降、抑うつや不安、不登校、ひきこもりなどの「二次障害」が起こりやすいといわれています。そして、その大きな要因となるのが、本人の特性そのものではなく、周囲の理解不足や「もっとできるはず」という過剰な期待、本人に合わない環境なのだとか。

では、わが子の心を追い詰めないために、親は何に気をつければいいのでしょうか。

そこで今回は、発達障害やグレーゾーンの子どもが思春期を迎えたときの親の悩みに寄り添い、具体的な対応策や自立に向けた関わり方を解説した、鳥取大学医学系研究科臨床心理学講座教授・井上雅彦さんの書籍『発達障害&グレーゾーンの中高生の育て方』(すばる舎)から一部抜粋。

子どもの小さな変化を見逃さず、安心できる環境をつくるために、親ができることを考えてみましょう。


思春期から起こりやすい二次障害とは?

発達障害のある人は思春期以降、抑うつ症や不安症などの精神疾患を発症しやすいと言われています。発達障害を起因として、別の精神疾患などの合併症や、それによる不適応状態が生じることを発達障害の「二次障害」、もしくは「二次的な問題」と呼ぶことがあります。

ただし、二次障害は、発達障害の特性そのものが原因となって生じるわけではありません。主な原因は、周囲からの理解不足や過剰な期待、負担の大きい環境など、本人を取り巻く外的な条件です。

発達障害は外見からはわかりにくいため、「怠けている」「意欲がない」「自分勝手だ」といった誤解を受けやすいものです。がんばっているのにうまくできないといった状況が続けば、誰だってくじけそうになるでしょう。

そのうえ周囲から否定的な評価を受け続ければ、自己肯定感が下がってしまうのも当然です。失敗体験や挫折感が積み重なることで、抑うつや不安症状が引き起こされやすくなるのです。

周囲の環境が本人の特性にあっていない場合も、ストレスの要因となります。

たとえば、感覚過敏があるのに光の強い窓際で授業を受けることを強いられたり、書字障害のある子が紙での頻繁なレポート提出を強要されたりすることは、その場の困難だけでなく、長期的なストレスの蓄積にもつながります。このような環境での生活を続けることで、心身の不調があらわれることもあります。

とくに思春期は、自分と周りとを比較し、客観的に自己理解を深めていく時期でもあります。だからこそ、発達障害の特性をネガティブなものとして捉えてしまうと、自己否定感や孤立感を強めてしまうことがあります。

また、この時期は「こうありたい!」という理想像が強くなり、自分の特性と理想とのギャップに悩むことも少なくありません。「みんなができることが自分にはできない」「完璧にできなければ意味がない」という焦りから、無理に自分を変えようと努力しすぎて、疲弊してしまうこともあります。


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思春期から注意したい二次障害の具体例


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