2026年6月23日(火)にグランドオープンした、「THE PASONA natureverse retreat(ザ パソナ ネイチャーバース リトリート)」(以下「THE PASONA」)。「自分を愛する」という健康の原点をコンセプトに、病気になる前の状態である“未病”に着目したアプローチが、早くも注目を集めています。国内屈指のウェルネスツーリングの聖地になるか。——リシェスが現地を訪れました。
滞在は3泊4日から。「未病リトリート」という旅の新習慣
淡路島の北部、明石海峡をのぞみ、緑豊かな小山を背にした絶好のロケーションに、「THE PASONA」は佇みます。木立を思わせる木質材の列柱がシンボリックな山側のファサードから、正面の大階段を上ると、中央の扉が左右に開き…、そこは45メートル長のチェコガラスのシャンデリアが掲げられた巨大な吹き抜けのアトリウム。目前には、一幅の絵のような空と海の光景が一瞬にして広がりました。
開口部を大きくとり、借景の美を余すところなく生かした建築デザイン「ピクチャーウィンドウ」は、施設の設計を担った世界的建築家、坂 茂さんの真骨頂です。自然の光、海からわたる風。ゲストを迎えるロビー空間は、これから過ごす充実した時間を約束するかのような、ドラマティックな美しさをたたえていました。
滞在型リトリートである「THE PASONA」には、海か山のいずれかのビューが確保された全57室のスイートルームがあります。中には、坂さんが家具に至るまで内装をデザインしたスペシャルな客室も。
敷地内の源泉から汲み上げられる天然温泉を、檜風呂で堪能できるというバスルームの仕様も、心身を癒すリトリートの名に相応しいものです。また最上階、5階のVIPフロアのスイートルームでは、ベントレーやフェンディなどのオーダー家具を設えたインテリアの希望や、ラグジュアリーカーの貸し出しなども対応。ホテルサービス付きの別荘のような感覚で、長期滞在が可能です。
「THE PASONA」での滞在は、ミニマム3泊4日から。30泊、1年、3年の基本プランなどが用意されています。その滞在の核となるのが、病気になる前の状態である未病に着目したウェルネスプログラムです。
一人ひとり丁寧にカスタマイズされる、ウェルネスプログラム
例えば3泊4日のプラン「Mibyo」は、「Relax(回復)」「Reset(再生)」「Rebuild(強化)」の3つの方向から、食、睡眠、運動のプログラムが設計されます。事前の問診をもとに、専属の「ウェルネスコンシェルジュ」と併設するウェルネスクリニックの「未病ファシリテーター」が連携し、ゲスト一人ひとりに合わせて最適化。チェックイン時のカウンセリングでさらにカスタマイズされ、滞在中もウェルネスコンシェルジュがサポート。最終日の面談では日常へのアドバイスをフィードバックと、心身の健やかさを整えるための細やかなシステムが用意されています。
今回、体験したのは、ウェルネスについても発信力を持つモデル、SHIHOさんが指導するヨガを組み込んだオープン記念の特別なプランです。提携施設で、同じく坂さんが設計した山上の禅リトリート「禅坊 靖寧」でのヨガ、瞑想、ティータイムを過ごし、「THE PASONA」では朝焼けの海を眺めながらの早朝ヨガやタラソテラピーを。淡路島の自然の「気」を存分に吸収しながら、心身をリセットする希少な時間でした。
タラソテラピーもまた、この地の自然のエネルギーの賜物です。使用されている海水は、沖合で採取し、丸1日濾過してひと肌に温度調整されたもの。ミネラル分たっぷりの海水に浴することで自然治癒力が高まるとされる海洋療法ですが、浮き器具でプカプカとしばらく浮いているだけで、心身のこわばりがリリースされていくよう。客室から水着にバスローブを羽織ってアクセスできる動線、少人数利用を想定したコンパクトさなど、プライベート感を重視した設計も、「THE PASONA」らしさでしょう。同じエリアでは、デトックスの効能が近年再評価されるよもぎ蒸しの施術もあり、美容の目的にもかないそうです。
トレーニングはほかに、スタジオでのエアリアルヨガやジムでのメニューも。パーソナルトレーナー界のキーパーソン、池澤智さんが監修しています。
一流料理人×ウェルネス×瀬戸内の恵みという無二のラグジュアリー
ウェルネス重視とはいえ、ラグジュアリーな長期滞在に食の充実は欠かせません。ガストロノミーの文脈でもゲストを満足させる5つものレストランが投入されている点は、特筆すべき大きな魅力です。
オールデイダイニングの「淡路 東迎」は「おおさか料理 淺井東迎」の東迎高清さんが、摘草料理「淡路 美月」は京都・美山荘の四代目当主中東久人さんが、そして「鮨 美波」は淡路島随一の鮨店「淡路島 瓦(のぶ)」が監修しています。
「THE PASONA」では今回、2人の料理人に出会いました。「体のために食を捉え、ひと品に関わる人の手、いただく自然の命に感謝する精進料理は、ウェルネスの思想に通じるもの」と話すのは、精進料理「淡路 宗胡」を監修する、東京・六本木「宗胡」の野村大輔さんです。
「生産者との距離が近い淡路島で、日々得たインスピレーションを取り入れ、新しい料理を作るのは楽しい」と聞かせてくれたのは、「THE PASONA」唯一のフレンチ「Terre(テール)」を監修する、パリ5区のレストラン「Sola」の鍋多光介シェフ。そのほかにも、カフェスペースなどのコーヒーを監修するラテアート世界大会の勝者でバリスタの下山修正さんは、心身が解放されたリトリートで飲むに相応しい豆のブレンド、焙煎などを設計。ウェルネスをテーマに、いずれも志の高い食の一流のプロたちが腕をふるい、生み出される味覚の感動もまた、このリトリートを訪れる理由になるはずです。
ロンジェビティ(健康寿命)を意識した長期滞在型のラグジュアリーなリトリートが、日本でもライフスタイルや文化のひとつになる近未来へ。その牽引役になる力を持った「THE PASONA」の今後に、期待が募ります。
「ザ パソナ ネイチャーバース リトリート」
所在地/兵庫県淡路市岩屋2942-39
料金/3泊4日パーソナルプログラム「Mibyo」1人 約¥530,000(税サ込)~、ロングステイプラン30泊プラン 1人¥5,900,000(税サ込、平常時)~、¥4,100,000(税サ込、閑散期)~
URL/thepasona.com
※全てインクルーシブ制(アルコール飲料など例外もあり)。

WACOCA: People, Life, Style.