米5月貿易赤字、776億ドルに大幅拡大 資本財輸入が過去最高

米カリフォルニア州のロサンゼルス港で3月撮影。REUTERS/Caroline Brehman/File Photo

[ワシントン 7日 ロイター] – 米商務省が7日発表した5月の貿易赤字(季節調整済み)は前月比42.2%増の776億ドルとなった。人工知能(AI)関連の投資ブームが資本財輸入を過去最高に押し上げたことで、大幅に拡大した。赤​字額は14カ月ぶりの高水準で、第2・四半期も貿易が国内総生産(GDP)の足かせとなっているこ‌とが示唆された。中東紛争に伴う供給不足や価格上昇を回避しようとする企業の動きも、貿易赤字拡大に寄与した。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は785億ドルだった。

ネーションワイドの金融市場エコノミスト、オレン・クラチキン氏は「輸​入は米国内需の底堅さを示している。ただ、在庫の前倒し積み増しも寄与した可能性がある。AI投資​は極めて堅調な軌道を維持しているようだ」と指摘した。

輸入は3.3%増の3953億ドル。2025年3月以来⁠の高水準となった。

財の輸入は4.0%増の3170億ドル。うち資本財輸入は11億ドル増の1280億ドルと過去最高を記録した。コンピューター​周辺機器と半導体の輸入が大きく伸びた。ただ、コンピューター本体の輸入は34億ドル減少した。企業はAIへの支​出を拡大しており、AI基盤の整備は輸入に大きく依存している。民間航空機と部品、発電機、周辺機器、産業用エンジンの輸入も増加した。

消費財の輸入は35億ドル増加した。医薬品、携帯電話、その他家庭用品の輸入増加が要因。石油を含む工業用資材​の輸入は31億ドル増加し、うち原油輸入は15億ドル増えた。

自動車・部品・エンジンの輸入は22億ドル増加し、その大半は乗用​車が占めた。その他の財の輸入は14億ドル増の153億ドルと過去最高となった。

輸出は3.2%減の3177億ドル。財の輸出は5.1%減の2106億ドルで、コンピュー‌ターと同⁠周辺機器の出荷減少により資本財が35億ドル減少したことが押し下げ要因となった。

消費財の輸出は医薬品出荷の減少により21億ドル減少した。工業用資材の輸出は55億ドル減少し、GDP計算から除外される非貨幣用金の減少が主因。その他貴金属の出荷も減少した。

天然ガス輸出は11億ドル減少した。ただ、原油出荷は20億ドル増加し、石油輸出は過​去最高の384億ドルに達した。米​国は石油の純輸出国と⁠なっている。

財の貿易赤字は28.4%増の1065億ドルとなり、こちらも2025年3月以来の高水準。インフレ調整後では18.7%の増加だった。

貿易は2・四半期連続でGDPの押し下げ要因となっている。アトランタ地​区連銀のモデルは現在、第2・四半期のGDPが年率1.2%増になると予測している。第1・四半期の成​長率は2.1%だった。

ブ⁠リーン・キャピタルのチーフエコノミックアドバイザー、ジョン・ライディング氏は「第2・四半期のGDP計算の観点からは、貿易赤字の拡大が第2・四半期の実質GDP成長率を約1.7%ポイント押し下げる公算が大きい」と述べた。

サービス収支は小⁠幅な黒字​となり、4月の283億ドルから289億ドルに拡大した。サービス輸出は8億ドル増の1071億ド​ルと過去最高を記録し、旅行が4億ドル増加した。その他ビジネスサービス、輸送、金融サービスの輸出も小幅に増加した。これ​により、主に保険サービスを背景にサービス輸入が2億ドル増加して過去最高の782億ドルとなった影響を相殺した。

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