──軽やかながら単なるシトラス系というだけでは終わらない奥行きは、さまざまな要素のコラボレーションから生まれるものなのですね。
A:ええ。柑橘類ではほかにもグリーンマンダリンやライムなどを加え、弾けるような魅力を演出。そこに、スパイシーなカルダモンを潜ませてピリッとしたアクセントを添えています。そのあとには、安定感のある大地を連想させるパチョリも。
このフレグランスでは、タオルミナという場所のイメージはもちろん、そこに息づくライフスタイルも表現したつもりです。イオニア海からのそよ風が、オレンジの果樹園を吹き抜けたときの心地よさ──さらに海に沈む夕日の情景や、海に近い森の中に漂う豊穣な気配も含まれています。海辺の空気を感じさせる塩気の部分は、オークモスをムスクと組み合わせることで表現しました。一日中ビーチでずっと泳いで過ごし、海の水や日焼け止めがまだ少し残っている肌のような感じです。
──鮮やかなシトラスというだけでなく、肌になじんで寄り添ってくれる一面もありますね。つけ方や時間帯にアドバイスがあれば教えてください。
A:生きる喜びを表現した香りなので、とてもフレッシュでパワフル。それでいて、ある意味とても親密な印象を与えると思います。忙しい日々を生きている人たちは、週末や平日の仕事を終えた時間帯に、息抜きをする必要がありますよね。そういうタイミングには、このタイプの香りがぴったりだと感じています。夜になってもう少しセクシーに、あるいはリッチで力強い雰囲気を強めたいと思ったら、よりこっくりとしたウッディなフレグランスをプラスしても。そうすることで、この香りのオークモスやパチョリのノートをさらに補強することができるでしょう。


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