花王株式会社ビューティリサーチ&クリエーションセンター(以下、花王BRCC)は、2005年から継続して実施している「花王BRCCカラー・メイク嗜好調査」の20年間のデータを分析しました。その結果、トレンドを牽引する若年層(18~24歳)では、アイメイクにおける重視点が「まつ毛→眉→まつ毛」へと約7~8年周期で変化していることが明らかになりました。さらに近年のアイメイクトレンドを掛け合わせて分析すると、アイメイクは線・面・色で描く「2D」表現中心から、骨格や毛流れの質感を生かした全方位で美しい「3D」表現へと進化していることが分かりました。

これらの結果から、今後は「まつ毛の立体美」が新たなアイメイクトレンドの中心になると予測しています。

本リリースでは、流行を生み出す若年層にフォーカスし、リアルな嗜好データに加え、メイクアップアーティスト視点を交えながら、これからのアイメイクトレンドを解説します。

【調査結果:3つのポイント】

■メイクの主役は「肌」から「目もと」へシフト

若年層では、ベースメイク中心からアイメイク中心へと変化し、目もとカテゴリーの重視点が5割以上に

■アイメイクは「描く2D」から「魅せる3D」へ進化

骨格や毛流れを生かした立体的な「全方位美」へ

■トレンドは再び“まつ毛”へ――回帰の兆し

約7~8年周期の変化の中で、再びまつ毛重視が高まる傾向

生活者のリアルなトレンドを捉える「花王BRCCカラー・メイク嗜好調査」

花王BRCCは、国内外の最新メイク・ファッション・カラートレンドのリサーチやストリート動向の継続的な観察を通じて、次のビューティトレンドを予測し、美容に関する知見を発信しています。本調査は、ファッション感度や化粧意識の高い生活者を対象に、メイクに関する嗜好や意識を長期的に把握することで、次に到来する美容トレンドの兆しを捉えることを目的としています。一般的なトレンド情報とは異なり、生活者が実際に取り入れているメイクの実態や意識を定量的に把握できる点が特長です。

《調査概要》

調査項目:メイク重視点、現使用アイテム、メイクに対する意識、仕上がり画像による嗜好性、

     アイシャドウ・口紅などの色評価

調査時期:2005年より年1回

調査方法:2005年~2019年、東京・大阪の2都市にて会場調査、

     2020年不実施、2021年~2025年Web調査

調査対象:18~59歳   ※調査対象人数は年度によって異なります (262名~934名)

メイク重視点は「ベースメイク」から「アイメイク」へ

「メイク重視点」とは、メイクを行う際に最も重視しているカテゴリーを尋ねた項目です。「アイシャドウ」「マスカラ」「アイライン」「眉」「チーク」「口紅」「ファンデーション」の7カテゴリーを対象に調査しています。

2005年から20年間にわたる若年層における調査データ(図1)を見ると、調査開始当初はファンデーションが約40%を占め、ベースメイクが最も重視されていました。 

しかし、2006年以降は、目もと関連カテゴリー(アイシャドウ・マスカラ・アイライン・眉)が常に5割以上を占める傾向が続いており、その後のメイクにおいては、アイメイクが中心的な役割を担ってきたことがうかがえます。

アイメイク表現の進化 ―― 描く「2D」から、形を生かす「3D」へ

アイメイクのトレンド変遷を振り返ってみると、2005年~2011年の「くっきりアイライン」や「盛りマスカラ」、「締め色強調アイシャドウ」などの囲み目全盛期時代では「面・ライン・色」で肌に描く平面的(2D)なアイメイクの表現が中心でした。

その後、新型コロナウイルスによるマスク生活を経て、顔全体が再び見えるようになったことで、メイクにおいても各パーツの立体感(3D)が意識されるようになりました。

その中でも特に目もとにおいては、「まつ毛」や「眉毛」の立体美を生かした「3Dアイメイク」が注目されています。

■花王BRCCが定義する「3Dアイメイク」

「3Dアイメイク」とは、正面だけでなく、横や上下などあらゆる角度から見ても美しく立体的に仕上がるメイクであると、花王BRCCは定義しています。鍵となるのは、まつ毛や眉といった「毛」の存在感です。まつ毛や眉は、顔の中でも特に顔立ちの印象を左右する「立体的なパーツ」です。毛流れや一本一本の質感を活かすことで、色で「面」をつくる2D的アプローチでは得られない、奥行き・陰影・造形の美しさが生まれます。

「まつ毛」「眉」重視度は約7~8年周期で変化――直近は「まつ毛回帰」の兆し

3Dアイメイクを支える主要カテゴリーである、マスカラ(まつ毛メイク)と眉の重視度(図2)の過去20年の推移を分析すると、両者の重視度は、およそ7~8年周期で入れ変わっている傾向が見られます。

マスカラ(まつ毛メイク)と眉のメイクトレンド変遷(図3)からは、マスカラ(まつ毛メイク)にポイントが置かれる時期には眉の重視度が相対的に下がり、反対に眉がブームとなる時期にはマスカラ(まつ毛メイク)の重視度が低下するなど、目もとの「毛」は、パーツ同士のバランスが重要であることがうかがえます。最新の傾向を見ると、トレンドの軸は「まつ毛→眉→まつ毛」へと変化しており、今後は再びまつ毛の注目が高まる兆しが見て取れます。

〈メイクアップアーティスト解説〉 “立体まつ毛”でつくる「3Dアイメイク」のポイント

花王BRCCカラー・メイク嗜好調査の結果に、メイクアップアーティストの知見と近年のメイク潮流を掛け合わせて分析すると、今後のアイメイクは「描き足して盛る」発想から、「骨格・毛流れ・陰影を整えて立体感をつくる」方向へシフトしていくと考えられます。
正面だけで完成させるのではなく、横顔・斜め・伏し目といった“他者から見られる角度”でも印象が崩れにくい、「全方位映え」の仕上がりを目指す考え方です。
中でも、一本一本の存在感で奥行きを生む“立体まつ毛”が、その仕上がりを支える重要な要素となっていきます。色数を増やすことではなく、まつ毛や眉など「毛」がつくる奥行き(陰影)を活かすことで、今後さらに目もとの表現の幅が広がっていきます。

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