妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』
もはや生活に欠かすことのできない存在のスマートフォン。その値段は現在、軒並み上昇し、なかには1台10万円以上するものもある。
「令和7年の調査結果によるとスマートフォン機器の専用率は小学生(10歳以上)の74.9%、中学生の. 95.4%、高校生の99.1%。子ども専用の機器を持つ割合は、学校種が上がるごとに高くなり、持っていないことで不利益を被るデジタル・マイノリティになり得ると言えるのではないでしょうか。」
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こう解説するのは危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏だ。
「ちなみに5年前の結果を見てみると子ども専用のスマートフォンを持っている割合は、小学生の41.0%、中学生の84.3%、高校生の99.1%。この数年で、子ども専用スマートフォンの所持が急速に低年齢化していることが見て取れます」
そんななか、今回お話を伺ったのは、現在都内の大学に通う柿本マリさん(仮名・20歳)。彼女のスマートフォン所持歴はまだわずか2年。なんと高校時代まで、母親の頑なな教育方針によってスマートフォンを持つことを一切禁じられていたという。
「中学入学時点で、ほとんどのクラスメイトはスマホを持っていました。都心という環境のせいもあったのかもしれませんけど、入学と同時にクラスのグループLINEが作られ、部活の連絡ややりとりもすべてスマホで行われていたんです」
何度も『欲しい』と母に訴えたが、買ってくれることはなかったそうだ。
「母が決まって口にするのは『ママたちの時代はなかった』『あんなものなくても生きていける』『高校生にスマホなんて必要ない!』という言葉でした。そりゃそうかもしれないけれど、当事者の私にはそんなふうには思えなかった。それに、話し合いにもまるで応じてくれず、『買わないものは買わない』の一点張り。自分はスマホを自由に使っているくせに……。中学まではまだ我慢ができましたが、高校入学時も頑なに買ってくれなくて、私の青春は真っ暗でした」
当時のやりとりを、マリさんは昨日のことのように覚えている。
ー友達と連絡取れないし、スマホ買って。安いのでいいの。ママのお古でもいい。
ースマホがなきゃ、話に入れない友達なんていらない!
ー高校生なのにスマホなしなんて虐待だよ。勉強にだって必要なのに…。
ー馬鹿なこと言わないで。
何度頭を下げても、すれ違うだけの親子関係。マリさんは当時の絶望感をこのように打ち明ける。
「毎日この繰り返しでした。崇高な教育方針だかなんだか知らないけれど、周りの輪に入れない私にとっては地獄としか言いようがなかった。それでもなんとか必死に部活に入り、友達を作ったんです。ところが、その必死で築いた友達関係すら、のちに母の過度な干渉によって壊されることになりました」
「子どものため」という大義名分はときに大きな傷をもたらす。
「このとき『もうこの人とは一緒に生きていけない』と心底思いました。あの人が私にしたことは一生忘れないし、今でも恨みしかありません」と振り返った。
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※本記事で使用している写真はイメージです。 【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】河本美乃里 PHOTO:Getty Images 【出典】こども家庭庁|令和7年青少年インターネット利用環境実態調査(速報)、内閣府|令和2年度青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果概要
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