SNSの普及で、他者に認められることがこの上ない喜びをもたらすと誰もが知った今、ソーシャルに見せる姿がどんどん肥大化していく。そんな現代だからこそ、スキンケアやボディケアを通して素の自分に戻ることは、自分自身の心のアンテナを外の社会ではなく、内なる自分に向けるために重要となる。
つまり美容とは、外の自分と内の自分を切り替えるためのスイッチの役割を持っている特別な行為なのだ。それは単に外見を磨くだけでなく、メンタルを整えるツールにもなりうる。そして、メンタルの切り替えに最も簡単で効果的なのが、マッサージだと阿部教授は言う。
「マッサージで肌に触れると仕事で高ぶっていた交感神経が次第に鎮静していきます。心拍数がゆっくりと低下し、ストレスホルモンであるコルチゾールも同じように下がるのですが、これは心が安らいでいるということです。マッサージによってリラックスした後、最後は軽い刺激によってリフレッシュするような感じで締めるのが効果的です。例えば、お風呂のあと湯上がりに少し冷たいお湯をかぶる、収れん化粧水のパッティングによって肌をひんやり引き締めてケアを終える、などの工程を取り入れることでより整います」
こうした、リラックスからリフレッシュへと心を整えていくマッサージを日々取り入れられれば理想的だ。とはいえ、朝晩繰り返されるスキンケアは、どうしても流れ作業のようなルーティンになりがちでもある。では、スキンケアやボディケアを、自分と向き合い、心を整える時間へと変えるためには、どのような意識が必要なのだろうか。
「スキンケアやメイクアップは気晴らしになるか?それとも負担になるか?という質問をすると大概、答えは半々になります。好きでやっている人もいれば、義務のように感じている人もいるということですね。一番のボリュームゾーンにいる人は、ときに楽しく、ときにつらいと思っている。スキンケアは一度きりで終わるものではなく、毎日繰り返される習慣なので、面倒に思うことがあるのは仕方ないと思います。

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