スタートアップのバイブルとして名高い『起業のファイナンス』シリーズの最新刊として、『起業のコーポレート業務』が発売されました。オフィスの探し方や社会保険への加入、PR、反社対応、M&A・IPO準備など、総務・経理・労務・法務とEXITに関する全てをカバーする「スタートアップの実務大全」とも言える1冊で、スタートアップ以外の企業のコーポレート部門の人にも大いに役立つ内容となっています。

この連載では、主に同書の「コラム」を公開していきます。第12回は「給与計算」についてです。


パニックになる女性Photo: Adobe Stock



給与の「額面」と「手取り」の差はどう生まれる?

 給与計算が複雑化する原因は、給与から天引きされる税金と保険料です。給与明細を受け取った時に額面と手取りの差額を見て愕然とする理由もここにあります。以下に簡単にまとめました(会社が支払う主な税金は別途、『起業のコーポレート業務』でまとめているのでそちらをご参照ください)。


スタートアップの社員も知っておきたい「給与計算」のしくみ額面給与から天引きされる税金と保険料の概要


 ここで注目してほしいのは、会社が負担するのは税金だけでなく、保険料も折半して負担しているということです。


 健康保険については、前述の通り、赤字であるスタートアップは協会けんぽに加入するしか選択肢がなかったのですが、特定のVCが株主であれば加入できるVCスタートアップ健保組合が誕生しました。


 ここでは詳細に解説はしませんが、保険料は毎年7/1 - 7/10という短い期間に算定の更新が発生するため、この期間は労務担当者にとっては繁忙期となります。


 また、給与や賞与から源泉徴収された所得税の過不足を調整する年末調整も、一大イベントです。11月末から年末調整の準備を開始し、12月の給与日に還付(追加徴収)を実施、翌年1月に給与支払報告書と法定調書の発送を行わなければなりません。特に年末調整は従業員側で準備しないといけない書類も多く、かなり手続きが煩雑なので、SmartHRなどのソフトの早期導入を推奨します。

WACOCA: People, Life, Style.