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2026年04月27日 AM09:00

同一人物を長期間追跡したデータは限られるため、高精度な予測は難しい

日本電気株式会社(以下、NEC)は3月23日、NECの独自技術である長期予測AIと弘前大学COI-NEXT拠点が有する健康ビッグデータを活用し、生活習慣病や身体機能、認知機能など複数の健康指標において、約10年先の健康状態の変化を個人ごとで予測する検証を2024年11月から2026年2月にかけて行ったと発表した。今回の研究は、NECと弘前大学の共同研究によるもの。


画像はリリースより
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人生100年時代を迎え、健康寿命の延伸は社会全体の重要課題である。高血圧や糖尿病などの生活習慣病だけでなく、高齢期に増える身体の衰えや認知機能の低下も含め、幅広い予防が求められている。特に高齢期は、健康リスクが年齢とともに変化し、人によって何を優先して対策すべきかを見極めることが重要である。

また、早期から予防的な健康行動を開始し継続することは、将来の健康リスク低下と関連することが報告されている。このため、将来の健康状態の変化を早い段階から予測できれば、リスクが積み重なる前に生活習慣を見直したり、管理を強化したりしやすくなると考えられる。

しかし、個人ごとに長期的な健康状態の変化を予測するために必要な「同一人物を長期間追跡したデータ」は限られており、高精度な予測モデルの構築は難しいという課題があった。

個人の健康データを使って学習させた長期予測AIと健康ビッグデータを活用

今回の研究では、同一人物を長期間追跡したデータが無くても、年代の異なる多くの個人の単年度の健康データを使って学習し、将来の健康状態の変化を予測できるNECの長期予測AIを活用した。具体的には、年齢変化の一例として「現在60歳の人々の集団は10年後には現在の70歳の人々と似た傾向を持つ集団に変化する」という考え方に基づき、最適輸送アルゴリズムを用いて、年代ごとの健康データの分布を数学的に対応付けた。同一人物の将来データが無くても、この対応付けを活用することで、個人ごとの将来の健康状態の変化を推定できるようになる。

また、弘前大学が青森県弘前市などと共同で20年以上にわたり実施してきた「岩木健康増進プロジェクト」の健康ビッグデータを活用した。このデータは、身体機能・認知機能・生活習慣・食事・心理など約3,000項目の多面的かつ網羅的な情報を個人ごとに収集した、延べ3万人のデータから成り立っている。健常者の経年変化を含む健康データが豊富にあることも、予防研究にとって大きな強みである。

従来の平均的な予測では捉えにくい、個人ごとの将来の変化を把握

今回の研究では、60~65歳時点の健康データを起点とし、3年後・6年後・9年後の健康状態を、それぞれ予測した。血圧、血糖、脂質、BMI、握力、歩行速度、認知機能など、生活習慣病や身体機能、認知機能に関わる複数の指標について、予測値と実測値を比較し、精度を評価した。

その結果、予測値と実測値の相関係数は0.67と、相関性が高く、高い精度で予測できていることを確認した。また、従来の「予測期間分だけ年上の年齢層の平均値を将来値とする手法」(相関係数0.13)と比べ、大幅な改善を確認した。これにより、平均的な予測では捉えにくい、個人ごとの将来の変化を把握できる可能性が示された。

将来予測から、先手を打った健康づくりが可能に

本技術により、将来の健康リスクの高まりを早期に予測し、生活習慣の改善や予防施策につなげるなど、先手を打った健康づくりが可能になる。また、自治体では、地域住民全体の将来の健康状態を見据えた施策設計や、費用対効果の高い介入先の選定への活用が期待できる。「今後も関連技術の研究開発と社会実装をさらに推進し、個人と地域の健康づくりの高度化に貢献していく」と、研究グループは述べている。(QLifePro編集部)

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