高市政権はついに「皆保険破壊」へ毒を盛った OTC類似薬「77成分1100品目」保険外しは“アリの一穴”

「守る政治」すらできない(上野賢一郎厚労相)/(C)日刊ゲンダイ

〈守るだけの政治に「希望」は生まれません〉──。高市首相お気に入りのキャッチフレーズだ。いくらカッコつけた言い回しをしても、高市政治が守るべき制度を破壊し、絶望を生み出そうとしていることは隠しきれない。

 象徴的なのが、今国会で審議中の健康保険法などの改正案に盛り込まれたOTC類似薬の負担見直しだ。政府・与党は77成分1100品目を対象に、来年3月から薬剤費の25%を患者から追加徴収することを想定。この「一部保険外療養」の創設を皮切りに対象品目や薬剤費の負担割合を拡大する方針だが、患者の負担増はOTC類似薬にとどまらない恐れが出てきた。

 21日の衆院厚労委員会に参考人として出席した全国保険医団体連合会理事で医師の中村洋一氏は、一部保険外療養の導入に伴う問題点を指摘。こう懸念を示した。

■保険除外の範囲が医療行為にまで及ぶ可能性

「OTC類似薬、医療用医薬品の給付制限・除外にとどまらず、政府が軽度だとみなす疾患を保険から外すことができるようになる。例えば、一般的な採血、水分点滴、皮下注射、簡易な外科処置や短期のリハビリ・心理療法、軽い麻酔など、さまざまな医療給付が制限されていくのではないか」

 つまり、保険除外の範囲がOTC類似薬だけでなく、その他の医薬品や医療行為にまで及ぶ可能性があるということ。どういうことか。

 問題は、省令により保険除外できる対象として改正案に掲げられた「その他の適正な医療」の意味だ。健康保険法63条は保険給付の対象に、①診察②薬剤・治療材料③処置、手術その他の治療④在宅医療⑤入院・看護──を定めている。15日の衆院厚労委で共産党の辰巳孝太郎議員が、保険除外できる対象の「その他の適正な医療」に①〜⑤が含まれるかどうかを確かめると、厚労省の保険局長は苦し紛れにこう答えた。

「『現時点で』OTC類似薬以外について、一部保険外療養として別途の負担を求めることはしておりません」

 要するに、①〜⑤に関して保険給付から外せることは否定せず、「今は考えていない」とお茶を濁したのである。これに対し、辰巳氏は「日本の公的医療保険制度の根幹を破壊するものだと言わなければならない」と語気を強めた。

 いわば、OTC類似薬の保険外しは皆保険制度を破壊しかねないアリの一穴。希望なんて生まれるはずがない。

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