日本航空(JAL)と東京国際空港ターミナルは4月22日、顔認証による航空便の搭乗・乗り継ぎに関する実証実験を実施したと発表した。国際航空運送協会(IATA)主催のプログラム「Data & Technology Proof of Concepts」に共同参画したもので、両社は「乗り継ぎにおけるデジタルアイデンティティ活用の実験成功は世界で初めて」としている。
実験
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検証ルートは羽田〜香港(JL029便)と香港〜ロンドン(BA032便)。スマートフォンのモバイルウォレットに搭乗券やパスポートなどのデジタル証明書(Verifiable Credentials:VC)と顔情報を事前に連携しておき、空港のシステムと連携することで、顔認証のみで搭乗・乗り継ぎ手続きを通した。
既存設備「Face Express」「Flight Token」を活用、方式の異なる3空港で連携を検証
実証では、羽田空港の顔認証サービス「Face Express」と香港空港の「Flight Token」といった既存の空港設備を活用。羽田と香港は登録済みの複数の顔写真から個人を特定する「1対N認証」、ロンドンは提示された2枚の顔写真の同一性を判定する「1対1認証」と、各国で異なる生体認証方式への対応も検証した。羽田空港では本実証に合わせてテスト用モックアップ環境を個別に準備して試験を実施した。
主な成果として、3種類のモバイルウォレットを用いた本人認証と相互運用性、乗り継ぎ用セキュリティゲートおよび搭乗ゲートでの生体認証への対応、既存の空港設備との連携が可能であることを確認した。予約から搭乗までの手続きの大幅な簡素化とヒューマンエラーの削減につながる可能性があるとしている。
パスポート提示不要の「シームレスな旅」を見据え
JALとTIATは、この仕組みが実用化されれば「チェックインカウンターでのパスポート提示が不要となるだけでなく、将来的には保安検査や出入国審査、搭乗、乗り継ぎのすべてを非接触でシームレスに行えるようになる」と説明する。今回のPoCは、そうした搭乗体験実現に向けた「第一歩」と位置付けている。
デジタルアイデンティティは、デジタル世界において特定のユーザーを構成するさまざまな属性情報の総体を指す。VCはデジタル上の身分証明書や資格を暗号技術で安全に署名・検証する仕組みで、複数のウォレット間で相互運用できるかが実用化の鍵となる。
両社は今回得られた知見と技術を活用し、引き続き実証実験に参画していく方針を示した。取り組みの詳細はIATAのサイト(https://www.iata.org/data-tech#tab-4)でも公開されている。
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