
写真は2025年1月、東京証券取引所で撮影。REUTERS/Issei Kato
[東京 21日 ロイター] – アクティビスト(物言う株主)たちはかつて冷ややかな対応を受けた日本市場で最近の相次ぐ成功に自信を深め、長期的な投資を計画している。
アクティビストの役割が増大している現状は、ウォーレン・リヒテンシュタイン氏率いるスティール・パートナーズがブルドックソースを買収しようとした際、日本の裁判所から阻止され、「企業価値を損なうような買収者」と呼ばれた20年前と対照的だ。
東京に拠点を構える法律事務所モリソン・フォースターのパートナーのジェレミー・ホワイト氏は「アクティビストは自らの振る舞い方を加減している」と語る。「そして企業もまたコーポレートガバナンス改革のために社外取締役の増員や株主に対する説明責任を重視する気風を強めており、多くの場合は対応が穏やかになっている」という。
急増するアクティビストの関心は、日本企業に対して改革に向けた圧力をかけ続けることは間違いなく、地政学的な不確実性が高まっているにもかかわらず、どれくらい日本が外国資本を引きつけ続けているかを裏付けている。
<日本で基盤構築>
関係筋の1人は、もしエリオットが利益をいくらか取りこぼしたとしても、日本で基盤を構築しようとしているため、そうすることで今後10年間にそれ以上の利益を上げるだろうと述べた。
ある株主アドバイザーは「エリオットは東芝の際に要求を公にせずに取締役を送り込んだ。エリオットは日本で現在、報道資料やプレゼンテーションを公表し、以前よりも少し声を大きくしている」と語った。
日本に投資するあるヘッジファンド・マネージャーは、エリオットの持つ重みを考えれば、長期保有型の投資家やヘッジファンドを含む国際的な投資家たちが積極的にエリオットに追随して戦線に加わるだろうと語った。
<数十年はアクティビズムの時代に>
ジェフリーズ証券によると、日本のアクティビストの活動件数は昨年、過去最高となった。
日本政府は企業改革を推進しており、企業は持ち合い株の解消や非中核資産の売却、自社株買いに動いている。
企業投資指針は15年に初めて導入され、今年に入ってさらに改訂された。東京証券取引所は資本効率を改善するよう企業に対する圧力を強めている。
アクティビストファンドのオアシス・マネジメントの創設者セス・フィッシャー氏は「すさまじい勢いがあり、さらに大きな上昇が見込める転換点にきている」と述べた。
日本でアクティビストの投資が伸びている背景に根本的な要因もある。
カナメ・キャピタルの共同創設者のトビー・ローズ氏によると、日本の上場企業の半数以上が何らかの形で同族支配下にあり、その利害が少数株主の利害としばしば食い違っているという。
ローズ氏はこうした構造が活用されていない内部留保、停滞する賃金、乏しい株主還元を招いてきたと話した。「日本には今後数十年にわたるアクティビズムの時代が待っている」とみる。
一部の識者は株主還元を重視しすぎるリスクについて警告している。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のウルリケ・シェーデ教授(日本ビジネス専門)は「危険なのはあらゆることが短期的な利益に左右される短期主義や金融化が到来することだ」と述べた。
アクティビストの活動が日本に定着していくと見る向きもある。
モリソン・フォースターのホワイト氏は「彼らが互いに学び合い、対立を控えて日本により調和した手法を取れば、今後も成功し続けるだろう」と話した。
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