ソウル市内のダイソー店舗(c)NEWSIS/MONEYTODAY物価高が続く韓国で、ダイソーが生活用品店の枠を超えた「コストパフォーマンス消費の拠点」として存在感を強めている。衣類やビューティー用品、電子機器まで品ぞろえを広げ、消費者の暮らしに深く入り込んでいる。2025年の売り上げは4兆5000億ウォン(約4855億5000万円)に達し、過去最高を更新した。
50代の会社員は週末のゴルフに向け、季節の変わり目に羽織れる軽い服を探してダイソーを訪れた。5000ウォン(約540円)のウィンドブレーカーを買ったというこの会社員は、価格から大きな期待はしていなかったものの、実際に着てみると着心地は予想以上だったといい、いまでは服もまずダイソーで探すようになったと話した。
30代の会社員も、基礎化粧品からメイク用品まで、化粧台をダイソーの商品でそろえるようになった。気軽に試せる価格でありながら品質も期待以上で、新商品が出るとまずダイソーを確認するという。低価格品は品質が落ちるという従来の見方が薄れつつあることを示す事例といえそうだ。
こうした変化の背景には、支出は抑えつつ満足感は維持したいという消費傾向がある。外食やファッションなど生活全般で価格上昇が続くなか、ダイソーは1000~5000ウォン(約108~540円)の均一価格を維持しながら品質改善を進めてきた。不要なデザインや過剰な包装を減らし、製品本来の機能と完成度に重点を置く調達戦略に加え、流通段階の簡素化と大量生産によって低価格と一定水準の品質を両立させている。
最近は電子機器分野の伸びも目立つ。ダイソーによると、携帯用掃除機やドライヤー、ヘアアイロン、毛玉取り機などを含む小型家電カテゴリーの2026年3月の売り上げは、前年同月比で約70%増えた。2025年8月から販売した携帯用掃除機が口コミで広がり、カテゴリー全体の成長をけん引したという。
PC周辺機器の需要も拡大している。Bluetoothキーボードや静音マウス、縦型マウスなどを含むマウス・キーボードカテゴリーの売り上げは同じ期間に約50%増加した。これらは2026年2月末に発売された新商品で、発売直後からコストパフォーマンスの高い商品として話題を集めた。
消費のあり方そのものも変わっている。特定ブランドにこだわるのではなく、必要に応じて合理的な商品を選ぶ「実用消費」が広がり、オンラインコミュニティーやSNSではおすすめ商品や購入体験の共有が活発だ。ダイソーは、急場しのぎの商品を買う場所ではなく、日常的に使う実用的な消費財を選ぶ場として定着しつつある。
専門家は、韓国の低成長傾向が続くなかで価格の重要性はさらに高まり、均一価格モデルへの支持も強まるとみている。ダイソーは生活用品にとどまらず、ペット用品や化粧品へと領域を広げており、今後は食品分野まで拡大する可能性もあるという。
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