たくさんの親子の話を聞いて感じるのは、結局のところ、どんな問題も「つながり」に行き着くということです。
子どもは、好きな人(親も当然含まれる)と好きなものを共有したいと思っています。
ゲームやYouTube、SNSも、「一緒に楽しみたい」「わかってほしい」という気持ちがあります。
まずは、「どういう動画が面白いの?」「どういうところが、そんなに楽しいの?」と自分から子どもに近づいてみてください。
ときには、一緒に見て、一緒に視聴やプレーをしてみるのもおすすめ。「どうせ、しょーもない」とか、「全然興味ない」とか、「どーでもいいわ」とかを脇に置いて、毎日10秒、子どもが夢中になっているそれらに関心を向けて、「今、何見てんの?」「今、どう? 勝ってる?」と聞いてみる。行動そのものを否定せず、受け容れることで、子どもは肯定されたと感じ、話ができる状態になります。
ポイントは5つ、【1】目的、【2】与え方とタイミング、【3】考え方、【4】ルールと約束、【5】声かけです。
【1】目的
親は「依存症になったら」「事件に巻き込まれたら」「勉強しなくなったら」「将来ダメになるかも」と心配しています。だからこそ、早くやめさせたくなる。
でも、本当の願いはそこではなく、「自分で判断し、ハマっても切り上げられる大人、生活できる人になってほしい」ですよね。
つまり、子どもが主体的に生きるために“主権”を持って、自分で考え、決められる人を目指す。その視点を忘れずにいれば、焦らず関われます。
【2】与え方とタイミング
リアルな体験や生活リズムを優先したいところです。一度与えると、制限や取り上げが難しくなるため、「買うんじゃなかった」と後悔する親も少なくありません。
与える時期はできるだけ遅く。サンタさんのプレゼントにするのはおすすめしません。
「自分のものだから自由にしていい」という意識が強くなってしまうからです。
家族で話し合って購入を決め、“親の持ち物を子どもに貸す”という形にするとスムーズです。管理の主導権を親が持つことが、ケンカも揉め事も減らします。
【3】考え方
生活のリズムを守ることと、子どもが「主権」を持って決めることを前提とします。
体調や機嫌など、心身の状態が良いことを基準に、子どもと一緒に考えるスタンスとします。子ども自身が「良い状態に戻る」ことを目指すと、ルールを決めやすいです。
【4】ルールと約束
時間の目安は、心身の状態を見ながら、あくまで参考程度。小学生は平日30分〜1時間、休日は2〜3時間。中学生ならその1.5倍ほど。高校生以上は、基本的に自己管理で。
子どもの年齢や負担を考えながら、子どもと一緒にデジタル時間を決めていきます。
「毎日、どのくらいのゲーム時間がいいと思う?」と子どもに聞きます。親が一方的に「1時間ね、わかった? 約束だよ!」と決めるのでなく、子ども自身が感じて考え、子どもと一緒に、というのがポイント。
没頭してしまうと時間感覚がなくなりますが、普段普通にしているときであれば、子どもは自分にぴったりの時間を自分で知っています。親の顔色をうかがうのでなく、子どもが自分自身に聞いて考えてと、自分から言う時間を採用します。
子ども自身が導き出した時間で「時間で区切る? ゲームの区切りで決める?」「守れなかったらどうする?」「どうやって声をかけてもらうとやめられそう?」と、ありえそうなことを想定しながら子ども自身に聞き、対話しながら決めていきます。
このやり取りは手間がかかりますが、「自分で切り上げられる人に育つのか否か」の大きな分かれ目になるので、忍耐強く進めたいところです。ここで一方的に決めてしまうと、毎日揉める可能性が高くなります。
【5】声かけ
約束が守れない、ケンカになることは想定内です。
とはいっても、気になる状態を注意するのではなく、「なんか疲れてるね。なんでだろう?」「最近、機嫌悪すぎない?」など、子どもの状態をそのまま鏡のように伝える。自分で自分のことを気づいて、行動を変えられるように声をかけます。
約束が守られないとイライラしますが、目的があることを思い出して「どうしたらいいだろうね?」と何度でも子どもに問いかけます。「3回言ってもやめられなかったら、電源切るね」と決めて、ひるまず、静かに、キッパリと電源を切ることも必要です。
増やしたい行動を見つけて、言葉にすることも大切です。「昨日より早くやめられたね」「すごい! 自分で切り上げられたね」。そんな一言で、子どもの自己効力感は大きく変わります。
親に忍耐強さが必要なときこそ、「子どもは、良くありたい」存在であり、自分の心身に必要なことは深いところでちゃんと知っている、ということを理解したいところです。
ゲーム(動画やSNS)をやめられない自分はダメだ、なんとかしたい、と思っている子どもは「困って」います。
だから、「何かできること、ある?」とこちらから聞き、手を差し伸べることで、本人の自己肯定感を下げずにゲームやSNSと付き合うことができます。
闇バイト、SNSで事件に巻き込まれることも心配のタネの一つです。「子どもが何でも話せる体制が必要」と新聞記事に専門家の方の話がありました。
やはり、「いざというとき、子どもが親と話せる関係かどうか」という子どもと親の「つながり」の力は大きいのです。

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