2026年1月27日(火)〜1月29日(木)に名古屋で開催された、グローバル大型イベント「TechGALA」。本イベントのセッション「綺麗事なし。東海AI連合が描く、世界市場を獲りに行く実戦戦略」において、我々は東海発のAIがいかに世界で通用するかを熱く議論した。
そして、「日本のOJT教育こそが世界で通用する可能性を秘めている」という結論を、以下の記事にまとめさせていただいた。
【参照】「【シリコンバレーへの挑戦状】教育投資1.5万円の日本が、AI×現場力で世界を逆転する「実戦戦略」」(ThinkIT 2026/02/23)
TechGALAの熱狂は「前夜」から始まっていた
サイドイベント600名達成
本セッションでの熱い議論の「その前に」、どうしても触れておきたいことがある。
我々東海AI連合は、このTech GALA JAPANという祭典を最大限に満喫しようと、会期前に4つのサイドイベントを企画した。 結果として、登壇者も含めて合計600名という驚異的な動員数を達成することができた。(TechGALA公式参加人数は5,500名。我々のサイドイベントがいかに大きな波を作ったかお分かりいただけるだろう)
【対象イベントと参加者数】
① 2025年08月29日(金)DeNA東海初上陸 (70名)
② 2025年12月11日(木)生成AIギルド大感謝祭 (350名)
③ 2026年01月25日(日)生成AI EXPO AI GALA (110名)
④ 2026年01月26日(月)AI Salon nagoya (70名)
DeNAさんの初上陸から始まり、生成AIギルド、生成AI EXPO、そしてAI Salon nagoya。全メンバーが当事者として全力で参加し、運営を走り抜けた。この圧倒的なチームワークがあったからこそ、ここまでの規模を実現できたのだと深く実感している。
【参照】
「DeNAでのAI取り組み事例紹介・AIツール活用術(STATION Ai)」(Peatix 2025/08/29)
「生成AIギルド「スクウェアAI」大感謝祭」(スクウェアAI 2025/12/11)
「AI GALA by 生成AI EXPO」(生成AIEXPO実行委員会 2026/01/25)
「AI Salon Nagoya」(luma 2026/01/26)
「Nagoya.Tech」(Nagoya.Tech 2026/02/28)
DeNAイベントの様子直前イベントが担った「戦略的役割」とは
本記事では、これら4つのイベントのうち、TechGALA直前に開催された「③ AI GALA」と「④ AI Salon nagoya」にフォーカスを当てる。
これらのイベントが一体どのような熱気を帯びていたのか。登壇したトッププレイヤーたちの1部を紹介しながら、東海エリアにおける各イベントの「役割」と、我々が仕掛けた「戦略的な狙い」について深く掘り下げていきたい。
前提として、筆者である私、田中悠介は上記の2つのイベントの運営の企画者及び運営者である。私がこの連戦に込めた狙いは明確だった。
それは、「AIが楽しいと実感してもらうための『AI GALA』」、そして「AIを使った新しい知見や学びを得るための『AI Salon Nagoya』」という、2つの異なるアプローチで現場の熱量を最大化し、TechGALA本編へと繋ぐことだ。
「AIが楽しい」を体現した4つの熱狂セッション
1月25日(日)、TechGALAの直前イベントとしてSTATION Aiを舞台に私が主催したのが「AI GALA」だ。愛知県および名古屋市からの後援を受け、会場は立ち見が出るほどの熱気に包まれた。
「AIの楽しさを実感する」というコンセプトのもと、スタートアップ、大企業、行政、そして学生など多様なプレイヤーが交わる東海エコシステムの縮図となったこの場では、我々の「実戦戦略」を裏付ける強力なセッションが展開された。
登壇構成は、以下の通りである。
◾13:05-
「2026年、人とAIの役割分担はこう変わる – 組織で活かすAIエージェント -』
佐々木 亮 氏:株式会社DeNA AI Link Devin推進部 部長 / Podcaster
しぶちょー 氏:しぶちょー技術研究所
かねりん 氏:KANERIN Podcast Studio 代表
◾14:00-
『フィジカルAIの最前線と今後:ロボットは汎用化するのか』
加藤 柊羽 氏:Airion株式会社 AI・ロボットエンジニア
河村 拓実 氏:Airion株式会社 CEO
◾14:35-
『AI時代の教育とは』
松石 和俊 氏:株式会社MetaHeroes 代表取締役
近藤 にこる 氏:HeroEggプロデューサー
加藤 稜翔 氏:HeroEggアンバサダー
◾15:20-
『新規事業:AIアバター×推し活の可能性』
土橋 一矢 氏:株式会社名鉄生活創研 推しバース プロデューサー
服部 和雄 氏:萩原エレクトロニクス株式会社
DeNAセッションの様子:当日はポッドキャストのファンも参加していた。
Airionセッションの様子:フィジカルAIの基礎を学ぶことができ、知見を得る良いきっかけになった。
MetaHeroesセッションの様子:近藤にこる氏と加藤稜翔氏の2名が中心にプレゼン。AI時代の子供はどう学んでいくのか?考えさせられた。
名鉄生活創研セッションの様子:萩原エレクトロニクスの協力の元、バーチャルヒューマンの原型が生まれる機会を知ることができた。
AI GALAの最大の特徴は、単なる技術発表会ではなく、「AIが社会や日常にどう溶け込み、いかにワクワクする未来を創るか」という点にフォーカスしたことだ。立ち見が出るほどの熱気の中、各セッションでは東海エコシステムの層の厚さを見せつける議論が展開された。改めて、初心者から上級者まで生成AIの楽しさを体験できるという「生成AI EXPO」のコンセプトを組んだイベントになった。
TechGALA前夜の最終決戦。世界基準の実践知に挑む「AI Salon Nagoya」
AI GALAで「AIの楽しさ」を爆発させた翌日、1月26日(月)。TechGALA本編を翌日に控えた我々は、一気に視座を「世界」へと引き上げた。それが、STATION Aiを舞台に開催された「AI Salon Nagoya」である。
AI Salonとは、世界40箇所で開催されているAIに関するピッチイベントであり、米Blitzscaling Venturesのジェネラルパートナーであるジェフリー・アボット氏によって設立された、AIに特化した創業者や投資家が集うグローバルコミュニティだ。AISalon Nagoyaでは、Nagoya.TechのYanier Gonzalez氏とGivin’ Backの私(田中)がタッグを組み、開催した。
Nagoya.TechのYanier Gonzalez氏:Destructoidという海外メディアサイトのFonderであり、名古屋を中心とした外国人エンジニアコミュニティを束ねている。
AI Salon Nagoyaの聴講者の様子:先日のAI GALAと打って変わり、外国人の聴講者が多数を占めた。
登壇構成は、以下の通りである。(AI Salonに準拠して英字で表現)
Nikoru Kondo&Manami Yokota @HeroEggMasayasu Ito @studio vecoJuri Noda@JYUNIHITOEKazuya Takahashi@MeeetUpReza@dynamia.ai
女子高校生起業家のJYUNIHITOE代表の野田樹里氏、一重瞼の人にも自由な世界を目指している。
大学生起業家でもあるMeeeetUpの髙橋一矢氏、生成AI EXPO mini in Google でも登壇している。
ここで特筆すべきは、登壇者の多様性だ。このグローバルなピッチのステージには、各産業で泥臭くAI実装に挑む歴戦の起業家たちや海外バックグラウンドを持つプレイヤーに加え、STATION Aiの学生起業家育成プログラム「STAPS」を勝ち抜いた若き才能たちも「同列」で立っていた。ここにこそ、我々が仕掛けた戦略的な狙いがある。
多様な才能が入り乱れ、荒波に挑む「究極のOJT」
実績ある起業家も、コンテストを勝ち抜いたばかりの学生も関係ない。彼らをいきなり「シリコンバレー発のグローバルAIコミュニティ」という荒波に放り込み、海外の投資家や熟練のビルダーたちに向けて、自分たちのAIプロダクトがいかに社会実装(実戦)に耐えうるかをピッチさせる。
単なるアイデアの発表ではなく、「どうビジネスとして成立させるか」を世界基準で問われる場。これ以上の「最強のOJT」があるだろうか。
さらに会場の熱を加速させたのが、後半に設けられた「60秒のオープンマイク」と「ネットワーキング」だ。
オープンマイクやネットワークには、翌日にTechGALAのGrandPitchに登壇するArbaLabsの CEO Ashleyも参加した(一番右)
【参照】「Tech GALA 2026 Grand Pitch」(Tech GALA 2026/01/28)
来場者が突発的にマイクを握り、自身のプロジェクトや課題を会場全体に投げかける。その後のネットワーキングでは、学生起業家から第一線で活躍するエンジニア、投資家、大企業の担当者までが入り乱れ、フラットな関係性の中で即座に協業の可能性を探り合う。
座学ではなく、現場のプレイヤー同士が実践知をぶつけ合い、その場で事業を前進させていく。この濃密な空間での泥臭いやり取りこそが、シリコンバレーにも負けない、東海発・日本型の「実戦戦略」のコアとなる。
600名の「熱狂」が、TechGALAの巨大なうねりとなる
DeNAの初上陸から始まり、生成AIギルド大感謝祭、AI GALA、そして多様な才能がグローバルに挑んだAI Salon Nagoya。 これら4つのサイドイベントを駆け抜け、我々が巻き込んだ熱狂の渦は、合計600名という圧倒的な数字となって結実した。
この600名の同志たちは、すでに「AIの楽しさ」を体感し、「世界へ向けた実践知」を共有した、いわば「仕上がった状態」の精鋭たちである。彼らが強力な熱源となり、翌日1月27日からのTechGALA本編(5,500名規模)へと雪崩れ込んでいった。我々のサイドイベントがいかに戦略的な起爆剤として機能したか、お分かりいただけるだろう。
「日本のOJT教育(現場力)こそが、世界で通用する可能性を秘めている」
冒頭で触れた、TechGALA本編での我々「東海AI連合」のセッションの結論。それは決して机上の空論ではない。学生もプロも巻き込み、共に走り抜けたこの数ヶ月間のイベント運営プロセスそのものが、それを実証している。
「AI×現場力」。 世界市場を逆転する日本の実戦戦略は、ここ名古屋の地で、確かな熱量とともにすでに動き出している。TechGALAの熱狂を経て、この強靭なエコシステムからどのようなグローバルプロダクトが生み出されるのか。我々の本当の戦いは、ここから始まる。

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