米国・イスラエルのイラン攻撃による地政学リスクの高まりとともに、2026年3月以降の相場は大きく揺れ動いています。4月8日朝(日本時間)には米国とイランが即時停戦で合意し、株式市場は大きく反発しました。ただ、停戦期限は2週間で、恒久的な停戦となるのかは見通せません。この先も、大きく相場が下落することもあるでしょう。
3月以降の「下げ」は、新NISAをきっかけに投資を始めた方にとっては、初めて体験する本格的な下落局面かもしれません。「このまま投資を続けていいのだろうか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
今回の「篠田尚子のMoney Podcast」では、ファンドアナリストの篠田尚子さんが、代表的な資産クラスの過去1年リターンと最高値からの下落幅を踏まえ、相場調整期だからこそ重要になる「分散投資」の実践的な考え方を解説します。
難しい理論を覚える必要はありません。通勤中や家事のすき間に、ぜひ気軽にお聴きください。なんとなく聞いているうちに、一つでも心に残ることがあれば、それがきっとこれからの判断のヒントにつながるはずです。
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米国とイランの即時停戦合意を受けて、日経平均株価は大きく上昇した(写真:つのだよしお/アフロ)
「上がった話より下がった話」をすべき理由
今日のテーマは「今こそ上がった話より下がった話をしよう」です。
3月以降、地政学リスクが一段と高まる中で相場が不安定に推移しています。新NISAを含め、最近投資を始めた方にとっては、おそらく初めて経験する不安定な相場環境ではないかと思います。コロナ禍に一時期あった大きな下落は比較的早く戻りましたが、足元はちょっと先行き不透明感が漂う中で物価上昇も続いている。「このまま投資していてもいいのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、まず現状の整理として、過去1年の主要資産のリターンを冷静に確認してみましょう。
過去1年リターンで見えた「明暗」
代表的なインデックスファンドの成績を、1年間のリターンで単純に並べてみます。
図表:篠田尚子作成
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1位はゴールドで約49%。2位が日経平均株価で45%。3位が新興国株式でプラス30%弱。こうして見ると、1年前はまさにトランプ関税が話題になっていた時期と重なるわけですが、1年間で見ると足元の下落はそこまで大きくは見えません。
一方でインド株式は残念ながらマイナス圏に沈んでおり、−4.6%。足元の下落がより響いている形です。また、4資産均等型のバランスファンド(株式と債券、それぞれ国内・海外を4分の1ずつ均等配分したタイプ)はプラス圏ではあるものの15.3%と、他と比べると若干パッとしない印象を受けるかもしれません。
米国株インデックスであるS&P500は21.4%、全世界の株式のインデックスであるオールカントリー(全世界株式)は24.6%。オールカントリーは米国株の組み入れが高い一方で、日本株や欧州株も入っているため、実は米国株単体よりも高いリターンになっています。
日本株の中では、日経平均株価がプラス45%に対してTOPIXは34%にとどまりました。12ポイントもの差があります。これは、日経平均で寄与度の高い半導体関連銘柄などがいかに大きく上昇したかを物語っています。何を持っていたかによって、結構明暗が分かれる形になったと思います。
