投資家の46億ドル(約7350億円)の資金が足止め

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米国のプライベートクレジット市場で、投資家からの資金引き出し要求に対する制限が相次いでいる。複数の海外メディアの報道によると、今四半期に約130億ドルの解約請求があったものの、各ファンドが設定する上限により46億ドル(約7350億円)の資金が足止めされている。市場の急拡大と金利上昇を背景に信用不安が台頭しているが、専門家は金融システム全体への波及リスクは限定的と分析している。


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(画像:Fintech Journal)


米プライベートクレジットの引き出し制限拡大、投資家資金が足止めに
 米プライベートクレジット業界において、投資家による資金引き出しが困難な状況が広がっている。金融アナリストの分析および投資銀行のデータによると、今四半期に入り十数本のファンドに対して約130億ドルの資金引き出し請求が行われた。しかし、これらファンドの多くは四半期ごとの解約上限を純資産の5%に設定しており、実際に引き出せたのは請求額の約3分の2にとどまった。


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【図版付き記事はこちら】米プライベートクレジットの信用不安、資本引き出しが足止めに(図版:ビジネス+IT)

 その結果、投資家資金の46億ドル(約7350億円)余りが引き出し制限によって足止めされている。この解約制限の動きは特定の運用会社にとどまらない。先行して制限を導入したブラックロックやモルガン・スタンレーなどに続き、アポロ・グローバル・マネジメントやアレス・マネジメントといった大手資産運用会社も解約制限に踏み切った。

 今後数週間で同様の制限措置を導入するファンドはさらに増える見通しである。背景には、米国市場におけるプライベートクレジットへの急速な資金流入がある。日本経済新聞の報道によれば、米国の銀行によるプライベートクレジット向け融資は2025年12月末時点で前年比8割増の3775億ドル(約60兆円)に膨張した。

 規制により銀行が自ら手掛けにくい中堅・中小企業向け融資の高い利回りをファンド経由で得る狙いがあった。かつては銀行規制の隙間を埋める安定した高利回り資産として資金を集め、運用資産残高は3兆ドル規模にまで拡大した。しかし、急激な金利上昇の影響が蓄積し、信用サイクルの転換点を迎えたことで、ファンドが保有する資産の質に対する懸念が急速に高まっている。

 市場参加者が長年信じてきた「セミリキッド(準流動性)」という概念が、ストレス環境下では機能しないことが浮き彫りとなっている。未実現の損失やファンダメンタルズの悪化を隠蔽するシャドー・デフォルトへの警戒感も強まっており、換金売りを急ぐ動きが解約制限の連鎖を引き起こしている。

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