妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

 

3月26日、東京・池袋の商業施設「サンシャインシティ」の店舗で、女性店員が男に刃物で刺されて死亡した事件。犯行は元交際相手によるもので、以前ストーカー行為で逮捕されていたことも分かっています。

警察庁が発表した「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等、児童虐待事案等への対応状況について」によると、全国の警察に寄せられたストーカー相談件数は22,881件にのぼります。被害者の86.9%が女性で、職場や日常的に訪れる場所での被害も後を絶ちません。

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こうした状況について、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は次のように指摘します。

「ストーカー被害は依然として高い水準で推移しています。被害者と加害者の関係は、交際相手や知人、友人、配偶者など顔見知りが多いものの、面識なしも8.8%存在しています」

今回お話を聞いた女性は、一人で店を切り盛りする中で、ストーカーまがいの行為に困っていると話していました。

「女性が一人で店を切り盛りしているという情報は、悪意ある人間にとって格好の標的になり得ます。毎日同じ場所に現れ、性的な言動を繰り返す行為は、ストーカー規制法の観点からも見過ごせません。違和感を覚えた時点で記録を残し、早期に警察や専門機関に相談することが、身を守るうえで重要です」

山川レミさん(仮名・38歳)は、エステやマツエク、ネイルなど長年美容業界に携わってきた末に、今年2月、地元にトータルビューティーサロンをオープンしました。

客足は順調だった一方、開店直後から「望まない客」が相次いだと言います。内装工事中から店の前をうろつき、開店後は「お色気サロン?」「お触りあり?」と卑猥な質問を投げかけてくるなど、恐怖を感じたと言います。

「年齢は40〜60代。いずれも男性です。それだけでも怖かったんですけど、電話も度々かかってきて……」

ーどこまでエステしてくれるの?

「こんな問い合わせが毎日、別の番号から繰り返しかかってきて、恐ろしくなりました。でも、さらに厄介な強者が現れたんです」

その男性は、店の中に侵入してきたと言います。

「入り口のソファに腰かけて世間話をされて…。怖くて出て行って欲しいと跳ね除けたんですけど、翌日また来て目を見て話してくれて嬉しかったなど、告白めいたものをされて恐怖を感じました」

レミさんは以前、スーパーでアルバイトをしていた頃にも、買い物があるわけでもないのに毎日話しかけてくる客がいたことを思い出したと言います。

「家までつけられたことがあったんです。あのときと同じだと気づいて、ぞっとしました」

心身ともに疲弊したレミさんを見かねたある人が、撃退方法を提案します。半信半疑でその提案を受け入れたレミさんでしたが、結果は想定をはるかに超えるものでした――。

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※本記事で使用している写真はイメージです。 【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】山本康裕 PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」

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