妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』
厚生労働省が実施した「職場のハラスメントに関する実態調査(令和5年度)」の労働者等調査結果によると、過去3年間に職場でパワーハラスメントを経験したと回答した人の割合は19.3%にのぼります。一方で、被害を受けた後に「何もしなかった(我慢した)」と回答した人も多く、職場に蓄積された「声なき不満」は今なお、行き場を失い続けています。
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こうした状況について、危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は次のように指摘します。
「ハラスメント対策が浸透するなかで、管理職が部下への関与を極端に控える傾向が見られます。少し注意をしただけで、ハラスメントと訴えられる可能性があるとするなら、それも仕方がない気がします」
その結果、コミュニケーションは形骸化し、本音は本人がいない場所でしか語られないようになってしまうケースも少なくありません。今回お話を聞いたパターンは、そうした職場の『分断』が偶然にも可視化された一例と言えるでしょう」
山田幹雄さん(仮名・53歳)は、中間管理職として10年以上、上司と部下の間を繋ぐ役割を担ってきました。
「暴言もパワハラも許されない時代だから、とにかく慎重に。そう神経を尖らせながらも、風通しのいいチームを目指してきました」と幹雄さんは振り返ります。
「ハラスメントとは無縁だと自負してきました。しかし、その態度が逆に部下の遊び道具になっていたとは想像もしていなかった…」
幹雄さんはある夜、スマートフォンをのぞいていたと言います。
「すると部署のグループラインの通知が表示されました。見てみるとそこには動画が届いていました。飲み会らしいサムネイルでなんだろう?と気軽な気持ちでタップすると…」
部下たちが笑い転げている動画が表示されたと言います。
「ゲラゲラ笑っていて、何かと思ったら、可愛がっている部下の1人が私のモノマネをして大爆笑をとっていたんです…」
ーなんでも相談してよ。
ー年齢なんてただの背番号なんだから!
自分の口癖だとわかる言葉のひとつひとつが、大爆笑のたびに胸に刺さったと幹雄さんは言います。声の感じや部屋の広さから、チームのほぼ全員が参加していることも見てとれました。
「呼ばれていない上に、こんなにバカにされているなんて…」。
「良い上司」であろうとし続けた歳月が、部下たちの残酷な本音を思わぬ形で知ることになった瞬間だったと振り返ります。
「まあ、でもこんなもんですよね。知りたくなかった…。上司が大好きなんて冷静に考えればおかしい。だから見てしまったことは、言わないでおこうと思っていました。そんなことで目くじらを立てるのは大人げないですし……。でもあることがきっかけで、思わず『見ちゃったんだよね』と部下に告げてしまったんです」
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※本記事で使用している写真はイメージです。 【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】山本康裕 PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省「令和5年度 職場のパワーハラスメントに関する実態調査」
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