妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

鈴木未来さん(仮名・29歳)は、都内のメーカーに勤める会社員です。朝の通勤電車で起きたある出来事について、今も「正解は何だったのか」と自問自答しているといいます。

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「別に大事件ではないのですが、なんだかずっと心に引っかかっていて。誰かに聞いてほしかったんです」

その日は平日の朝。適度に混み合う車内で、未来さんは空いた席に座ることができました。 「乗客が入れ替わるタイミングで、ちょうど目の前の席が空いたので座りました。周りには通勤客が多く、特に配慮が必要そうな方は見当たらない状況でした」

しかし、次の駅に到着した際に状況は一変します。

「ドアが開くと、杖をついた高齢の女性が乗ってこられました。ちょうど目が合ったので、私は迷わず席を立とうとしたんです」

ところが、未来さんが腰を浮かせた瞬間のことでした。前に立っていた30代くらいの女性が、背後にいた子どもの手を引き、「ほら、座らせてもらいな」と言いながら、空いた隙間に滑り込ませたのです。

「あまりに自然で迷いのない動きでした。子どもといっても、

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