小塚かおる「永田町ウォッチ」

小塚 かおる

小塚 かおる
「日刊ゲンダイ」第一編集局長

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2026.3.23(月)

参院予算委員会に向かう高市早苗首相(2026年3月16日、写真:共同通信社)

 衆議院で3分の2議席を獲得し、安倍晋三政権を超える「一強」と見られている高市早苗政権だが、その実態は脆い。高市首相のペースで進む国会運営についても自民党内の半分以上は是としているわけではなく、面従腹背ともいえる。「日刊ゲンダイ」第一編集局長の小塚かおる氏がレポートする。

対米隷属の「媚態外交」か? トランプ大統領が絶賛した高市政権の危うい独走

 アメリカとイスラエルが始めたイラン戦争の渦中に行われた3月19日の日米首脳会談が終わった。

 高市首相とトランプ大統領との会談は友好ムードで、懸念されたホルムズ海峡への艦船派遣を要請されなかったことから、首相官邸周辺は「訪米は成功」とアピールする。だが、その代わりにトランプ大統領の「日本は踏み込んだ対応を考えている」という発言が何を意味するのかは表に出ていない。

会談で握手を交わす高市早苗首相(左)とトランプ米大統領(2026年3月19日、写真:共同通信社)

 高市首相がホワイトハウスでトランプ大統領に迎え入れられた際の、ハグ(欧米流挨拶)というより自ら抱きつくようなしぐさや、イランに先制攻撃したトランプ大統領に対し「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」と口にしたことも、「大統領を怒らせないでうまく懐柔した」との評価がある一方、「対米隷属極まれりの媚態外交」との批判もある。

 関税合意に伴う5500億ドル(約87兆円)の対米投資の第1弾と第2弾、計17兆円超も日本の国益に照らして見合うものなのか、まさにこれから問われることになる。

 トランプ大統領にも絶賛された今年2月の衆議院選挙での歴史的圧勝で、高市首相は「数の力」で押し切る政治にかじを切った。その象徴が来年度予算案の今年度内成立に固執する姿だ。

 高市首相は国会答弁でも「国民の皆様の生活に支障を生じさせないよう、年度内に成立させていただく」と繰り返す。理があるように聞こえるが、解散総選挙によって予算案審議のスタートを1カ月も遅らせたのは高市首相自身だ。過去最大の122兆円もの予算案を例年より短く甘い審査で成立させていいわけがない。

 自民党も財務省も野党も、「国民生活に支障を生じさせない」形での暫定予算の編成を既定路線と考えていたが、高市首相の“鶴の一声”でひっくり返った。そのため、衆院では予算委員長が「職権」を乱発して日程も採決も強行した。

 これには、「憲政に禍根を残す横暴」「立憲主義を骨抜き」との批判が渦巻いたが、高市首相は意に介さず、高支持率と巨大与党をバックに「我が世の春」を謳歌しているように見える。

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