“就職=ゴール”はもう古い
「どんな仕事を選べばいいの?」と子どもに聞かれたとき、あなたは何と答えますか。
安定企業? 伸びる業界? AI関連?――いいえ、本当に伝えるべきは“職業名”ではありません。
そこで今回は、20年以上にわたり世界の金融市場で結果を出し続けてきた 河村真木子さんが、自身の実体験をもとに「お金の知識」と「人生の哲学」をやさしく、シンプルに、具体的に伝える書籍『自由にあきらめずに生きる 外資系金融ママがわが子へ伝えたい 人生とお金の本質』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から一部抜粋。
これからの時代、就職はゴールではなく“通過点”。会社は定年まで勤める場所ではなく、いずれ卒業する「もう一つの学校」です。ワーカーで終わらない人生を前提にした、新しいキャリアの考え方とは――。
いずれ「事業主」になるための働き方
子どもから「どんな仕事を選べばいいのかな」と相談されたら、どう答えればいいのでしょう?
これから伸びていく仕事は、間違いなくテクノロジーの影響を受けます。
AIのようなテクノロジーを作る側の仕事がいい」というのは、おそらく間違いないでしょう。ただし、相当なスキルが必要で、現実問題として厳しい。
また、テクノロジーが主流になっていく時代だからこそ、まったく逆の「人間としてのクリエイティビティ」や「コミュニケーション能力」が求められていくと私は感じます。
しかし、本書でお伝えしたい大切なポイントは「これから伸びていく仕事選び」ではありません。
私は「ワーカーとしての就職」を、あえて「一生のキャリア」と考えないよう、若い人にすすめたいと思っています。
つまり、大学を卒業して最初の数年は、「世界の全体像をつかみ、世の中のルールを学ぶ学校」として、「会社」を活用してほしい。
それはまた、「人生のどこかで起業しようよ」というすすめでもあります。
娘を含めた若い人には、いずれ事業主―資本家であり市場経済のメインプレイヤー―になる将来を視野に入れた人生設計を考えてほしいと思っています。
ワーカーは、「事業主になるまでのステップ」だとしたら、就職先は金融業界でもコンサル業界でもなんでもいい。「いずれ卒業することを前提とした、もう一つの学校」というイメージで選べば、「会社」の見方は変わってきます。
新卒で就職した会社に定年まで勤め上げる人はすでに激減していますし、娘の世代なら転職や起業がデフォルトになるでしょう。
こう見ていくと、最初の就職先は、「社会人としての基礎を学ぶ学校」と考えたほうがしっくりきます。社会に出てすぐ勤める「会社」という「いずれ卒業するもう一つの学校」に払う学費は、自分の人生の時間なので、安いところに払ってはいけません。
人生の時間を、できるかぎり高く買ってくれる企業がよいでしょう。
そして高収入の企業、すなわち「自分の時間を高く買ってくれる会社」ほど、学びが大きいのも事実。
たとえば外資系金融機関のように、レベルの高いスケールの大きい仕事を任されると、学びは多くなり、報酬も高くなります。
また、新卒採用を好む日本企業は「若手に『教育』という投資をして、人材を『育てる』」という伝統があり、その意識は薄らいできたと言われつつ、まだどこかに残っています。
お金をもらいながら学べるなら、しっかり活用すべきです。
ただし日本企業が考える「教育」が、若い人にとってプラスになるどころかマイナスになることも。
「同調圧力」や「忠誠心や我慢」になる場合もあるので、要注意です。
女性には「海外」が有利
