妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』
厚生労働省の「令和6年(2024年)人口動態統計(確定数)」によると、35歳以上での出産は全出生数の約3割を占め、今や約3人に1人が高齢出産に該当する時代になりました。かつては珍しかった40代の妊娠も、現代では決して特別なことではありません。
しかし、八代カナさん(仮名・21歳)にとって、45歳の母が妊娠したという報告は、素直に喜べるものではありませんでした。
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「わが家の両親はとても仲が良く、今でも手を繋いで出かけるほど。思春期の頃はそれが恥ずかしかったりもしましたが、大学生になった今では、ありがたいことだなと思っていたんです」
大学進学を機に家を出て、年に3〜4回は帰省していたというカナさん。しかし昨年、ある「発見」をしてから、実家への足が遠のくようになったといいます。
「本当に偶然、見つけてしまったんです。きっかけは、あるSNSの投稿がバズっていたことでした。40代の女性が20代の彼氏を自慢する、といった内容だったのですが……」
最初は他人事として読んでいたものの、スクロールした先にあった写真に目が止まりました。顔にはぼかしが入っていましたが、服装や持ち物、漂う雰囲気に、言いようのない既視感を覚えたといいます。それは、ホテルで誕生日を祝ってもらっている画像でした。
「なんというか、雰囲気が母にそっくりだと思って。でもその時は『そんなことあるわけない』と、必死に打ち消そうとしました」
フォローはせずにウォッチを続けるうちに、疑念は確信へと変わっていったとカナさんは話します。危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は、こうした現象を次のように分析します。
「SNSの『裏垢(裏アカウント)』は、日常の役割から切り離された“もうひとつの自分”を演じる場として利用されることがあります。家庭内で母や妻としての役割を完璧にこなしている人ほど、その外側で承認欲求を満たそうとする心理が働くことがあります。しかし、それが家族、特に子どもに発見された時の心理的ダメージは計り知れません。カナさんのように、誰にも言えず一人で抱え込んでしまうケースは非常に多いのです」
その後、そのアカウントは更新を止め、昨年12月には削除されました。そして年が明けて間もなく、父からカナさんの元へ舞い上がった様子で連絡が入ります。
ーカナちゃん! まさかの……もうひとり、きょうだいができます!!!
ー避妊してたつもりだったんだけど!!!
「母は45歳ですよ? 驚きというか、いろんな意味で空いた口が塞がりませんでした」
いつもならあるはずの母本人からの連絡がないことも、彼女の不安を煽りました。
「本当に父の子なの? と、どうしても疑ってしまう自分がいます。実は、その裏垢が母のものであるという、言い逃れのできない決定的な事実があったんです」
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※本記事で使用している写真はイメージです。
【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】山本康裕 PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省|「令和6年(2024年)人口動態統計(確定数)
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