妻として、母として、ひとりの女性として社会生活を営み、穏やかに微笑んでいる彼女たちの本当の苛立ち、あふれんばかりの悩みとは? 専門家の解説を元に、リアルな事象に切り込んでいく。それが『女たちの事件簿』

ハラスメントという言葉が世に浸透して久しい。職場内での問題のみならず、昨今は「カスハラ(カスタマーハラスメント)」のように、顧客からの行き過ぎた迷惑行為も深刻な社会問題となっている。

厚生労働省が公表した「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によると、労働者が過去3年間に受けた「顧客等からの著しい迷惑行為」について、業種別に見た割合は「宿泊業、飲食サービス業」(19.2%)が最も高く、次いで「生活関連サービス業、娯楽業」(16.9%)、「医療、福祉」(15.4%)と続く。対人サービスが主となる現場ほど、理不尽な要求に晒されている実態が浮き彫りとなっている。

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「公共の場やサービス業において、店舗側の意図や混雑状況を無視した振る舞い、あるいは正当な注意を受けた際の過度な反発は、スタッフへの精神的負担を増大させます。これらは広義のカスハラの一形態となり得るものです」

今回お話を伺ったのは、自身の遭遇した光景が「カスハラに当たるのでは?」と疑問を感じたという女性だ。東原美紀子さん(仮名・37歳)は、休日のカフェで迷惑だと感じる客を見かけたと話し……。

「3連休にパンケーキが人気のお店に並びました。1時間くらいは並ぶかなと予想していましたが、店員さんからは『20〜30分待ちです』と言われてラッキーと思っていたんです」

徐々に列が進み、店内に入った美紀子さん。すると、ある客がトラブルを起こしている場面に遭遇する。

「並んでいる場所の近くに座っていた4人組が、何やら店員さんと揉めていて……」

ー60分制度なんて聞いてないんですけど!!!

「明らかにキレている雰囲気でした。お客さんは60代くらいの男女と、私と同じくらいの女性、そして子ども。家族連れのようでした。対する店員さんはどう見ても20代。ぐいっと強い口調で詰め寄られ、店員さんは困惑した表情を浮かべていました」

さらに60代の女性客は、周囲の目をはばからず店員に詰め寄ったという。平塚氏はこう述べる。

「お席の60分制限はメニューに明記もされていましたし、美紀子さんは口頭でも伝えられたと話しています。この客も同様の対応を受けていたのであれば、明らかに理不尽な要求であり、カスハラに当たります」

美紀子さんはこう話してくれた。

「『時間です』と言われたら、席を立つのが私にとっては普通です。ところが彼らはとんでもない理由をつけてその場に居座ろうとしたんです」

「まだ残ってる!」彼らが指差したものとは。ルール無視で居座る家族の素性と最後に言い放った脅迫まがいの『捨て台詞』

※本記事で使用している写真はイメージです。

【取材協力】危機管理コンサルタント|平塚俊樹氏 【聞き手・文・編集】常田真悠 PHOTO:Getty Images 【出典】厚生労働省「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査報告書」

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