東京学芸大学附属小金井小学校(以下、小金井小)は、授業研究や公開授業を積極的に行っています。1月31日の「研究発表会」には、全国から学校の先生などが参加し、公開授業には立ち見が出るほどの人気ぶりでした。

東京学芸大学附属小金井小学校
今回見学したのは、ICT部の3人の先生の授業です。ICT部では、パソコンやタブレット、インターネットなどを活用して、子どもたちの学びに取り入れる研究をしています。現在のテーマは「問題解決を目指す子」。学年も教科も異なる授業でしたが、共通していたのは、いずれも子どもたちが自分で生成AIを使って、授業に取り組んでいた点です。
1時間目:6年生国語 単元「太一の成長から何を学ぶ?」
最初の授業は、鈴木秀樹先生による6年生の国語。この授業の目標は、文章を読んで意見や感想を共有し、自分の考えを広げること。立松和平氏の文学作品『海の命』について、自分で決めた課題についての考えを生成AIを使ってまとめ、友達との話し合いで広げていきます。

小金井小では、小学生でも使え、チャット履歴の管理などが可能な教育用の生成AIを使用しています。この授業では、子どもたちの対話相手として、性格の異なる2種類のAIが用意されていました。
一つ目が、肯定してくれる「優しいAI」。
二つ目が、厳しく根拠を求めてくる「手ごわいAI」です。
子どもたちは好きなAIを選び、課題に向かいます。あえて「手強いAI」を選んだ子どもは、
「難しい言葉ばかり使って、全部根拠を求めてくる」
「すごくイラ立ちました」
と、頭を抱えるシーンも。
授業を見学して印象的だったのが、苦労しつつも、子どもたちが一人も飽きていないということです。多くの見学者の目があっても、一人ぐらいは心ここにあらず……といった子がいるのが、よく見る教室の風景です。しかし、この授業では、全員が課題に前のめりに取り組んでいました。
AIからの回答を受けて、デジタル教科書の本文をじっくり見直す。一文字打ち込んでは削除し、考え込み、また教科書を読みなおし、文字を打っていました。

真剣な表情で画面に向かう子どもたち
授業の終わりには、生成AIと話すだけでなく、班の友だちと意見を交換しあう時間が設けられました。鈴木先生は「生成AIと意見を交換して自信を持ったあとなら、普段は萎縮してしまう子も、友だちに意見を言いやすいのではないか」という意図もあって、生成AIを間に取り入れたそうです。実際、普段は発言を控えがちという子も堂々と友達に意見を伝え、発表している姿を目にすることができました。
生成AIは「自分の意見を代弁してくれる」ものではなく、自分の意見をしっかり持つための「手助け」となることを感じた授業でした。
