中高生のネット利用率はほぼ100%。毎日数時間をSNSやゲームに費やすのが「当たり前」の現代、子どもの学力はスマホとの付き合い方に左右されています。

今回は高橋暁子さんの著書『スマホで受験に失敗する子どもたち』(星海社新書)を一部抜粋してご紹介いたします。

GIGAスクール構想の光と影、そしてスマホを「禁止」するのではなく、自律した「使い手」に育てるために必要な大人の役割を、最新の調査結果から読み解きます。


SNS・ゲームの長時間使用で正答率は低下

前提として、子ども達はどのくらいスマホを利用し、SNSやゲームを利用しているのでしょうか。

こども家庭庁の調査(*1)では、令和5年度の子どものインターネット利用率は、小中高校すべてでほぼ100%となっています。

利用する端末は、スマホが最多であり、続いてGIGAスクール構想で学校から配布・指定されたパソコンやタブレット端末(2021年から全国の小中学生に一人一台貸与されています。通称GIGA端末*2)、ゲーム機、テレビ、そして自宅用のパソコンやタブレット等、契約していないスマホなど。

なお、GIGAスクール構想とは、すべての児童生徒に一人一台端末を貸与し、高速大容量なインターネット環境のもとでデジタル機器やITテクノロジーを教育の現場に導入して、従来のアナログ教育以上の効果を引き出すICT教育(*3)を実現するという構想のこと。

小学1年生からすべての子どもがパソコンやタブレット端末を与えられ、学校の授業や宿題で利用しているので、ご存じの方も多いでしょう。

GIGAスクール構想開始時、家庭でのタブレット学習を念頭に、家庭でもWi-Fiを利用できる環境を整えるよう通知が出されました。その結果、ほとんどの家庭にWi-Fiが用意されるようになりました。あらゆる端末がインターネットと繫がる現在、最早インターネットを利用せずに生活する方が難しいでしょう。

高校生に至ってはスマホからのインターネット利用率は97.4%に上っており、中学生では78.7%、小学生でも42.9%と、多くの子どもが自分のスマホから自由にインターネットに接続できていることが分かります。

GIGA端末は、「学習以外には使わないこと」とされていることが多いですが、実際は問題ある使い方も少なくありません。私が聞いただけでも、「授業中にこっそりゲームをしていた」 「なぜかアダルトサイトを見ていた」 「いじめのメッセージを書き込んでいた」など、様々な問題が起きています。

まだ未熟だからこそ学校で使い方を学んでいるのであり、利用が増えれば問題も増えるのはある意味仕方がないことです。ただ、学校である程度管理し、フィルタリングもかけられているGIGA端末でこうなのですから、家庭で管理していない、フィルタリングもかけられていないスマホはどうなるのか、想像がつきますよね。

国立青少年教育振興機構(*4)の「高校生のSNSの利用に関する調査報告書」によると、日本の高校生のSNS利用率は98.8%に上ります。つまり、こちらもほぼ100%の生徒が何らかのSNSを利用しているのです。

SNSは様々な端末から利用できますが、スマホを所有するようになるとSNSの利用が増えることが分かっています。スマホには専用のアプリがあり、SNSと親和性が高いためです。プッシュ通知がきたり、撮影して投稿もスムーズにできます。

保護者との連絡用にLINEが使われることが多いこと、YouTubeでの動画視聴が乳幼児期から当たり前のものとなっていることなどから、SNSの中でも特にLINEとYouTube はほとんどの子ども達が利用しています。YouTube動画を観すぎる子どもは多く、LINEも大人世代とは違い、やり取りがチャット状態で続き、オープンチャットで知らない人と交流したりもするため、やり取りが長くなりがちです。


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SNSやスマホゲームの利用時間は……


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