「人生って思ったより…」より
【漫画】本編を読む
生まれたとき、両親はともに無職だった。そんな環境で育った鈴芽とろさんは、子どもの頃からの夢だった「1000万円の貯金」を25歳で実現。しかし、思い描いていた幸せとはかけ離れた現実に直面することとなった。
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第12話「人生って思ったより…」2/10
第12話「人生って思ったより…」3/10
第12話「人生って思ったより…」4/10
鈴芽とろ(@torosan1000)の経験をもとに描いたコミックエッセイ『1000万円貯めたけど病んだ話』は、等身大の視点で幸せを問いかけ好評を博した。本稿では、「人生って思ったより…」をテーマに、とろさんが心身の回復を経て、あらためて1000万円の貯金と向き合う姿を描いている。
とろさんは、「やりたいこと」と「お金」のバランスについて悩みを抱えていたが、いまは上手に付き合えていると語る。経験や自己投資にはお金を惜しまないと決めたことで、生活にストレスがなくなり豊かさを実感できるようになったという。一方で、それ以外の分野では徹底して節約をしており、明確なメリハリを意識している。
将来については、「いつか」と思って先送りにするのではなく、「やりたい」と思ったときにすぐ行動することを心がけている。貯金も“いつか”のためにしていたが、いまは“今”を大切にしたいという思いに変化した。
連載を振り返って、もっとも描くのがつらかったのは「休職時代のパート」だったようだ。回復には長い時間が必要であり、「完全回復」の難しさをあらためて実感したという。
また、連載中には同じような経験を持つ読者から多くのDMが届いた。すべてに返事はできなかったが、「どうか無理せず休んでほしい」との思いで、作品を描き続けてきた。
本作について、とろさんは「しんどいときに読んで、“こんな人もいるんだ”と少しでも安心してもらえたらうれしい。お守りのように、あるいはひと息つきたいときに手に取ってもらえたら」と語る。
取材協力:鈴芽とろ(@torosan1000)