写真=スタジオドラゴン

スタジオドラゴンが制作した「涙の女王」(脚本:パク・ジウン、演出:チャン・ヨンウ、キム・ヒウォン)が先月、16話を最後に放送が終了した。同作は、tvNドラマの歴代最高の視聴率を記録し、新たな歴史を築いた。

「涙の女王」は韓国だけでなく、全世界の視聴者からも愛された。NetflixのTVシリーズ(非英語)部門週間ランキングで注目すべき成績を記録したのだ。8週連続でTOP10に入り、4月中に1位~2位を行き来しながら、現在もチャートの上位圏をキープしている。グローバル累積視聴時間は3億7,320万時間である。海外コンテンツレビューサイトの「Rotten Tomatoes」では観客スコア94%、日本のコンテンツレビューサイト「Filmarks」では5点満点で4.5点を記録した。海外メディアが絶賛した「涙の女王」のヒットのポイントをまとめてみた。

◆ジャンルの融合

「涙の女王」は、キム・スヒョンとキム・ジウォンが演じた2人の主人公の切なく美しい恋物語だけがあるのではない。財閥家の陰謀と家族間の愛と誤解、周辺人物の活躍ぶりは、まるでコメディショーを連想させる。アメリカのタイム誌は「涙の女王」について、「K-ドラマが他のどの形式よりも優れていることがあるとすれば、それは新鮮な組み合わせを作るためにジャンルを混ぜることだ」と述べた。またカナダのScreenRantは「ドラマとコメディが完璧に調和している。笑いと涙を同時に誘うシーンは、『涙の女王』ならではの強みだ」と評価した。

◆脚本家・監督・俳優の三位一体

「涙の女王」は、「愛の不時着(2019)」「青い海の伝説(2016)」「星から来たあなた(2013)」など、多数のヒット作を生み出した脚本家のパク・ジウン、「不可殺」を演出したチャン・ヨンウ監督と「ヴィンチェンツォ」「シスターズ」を演出したキム・ヒウォン監督の制作陣と、圧倒的な魅力で様々な作品に出演してきたキム・スヒョン、キム・ジウォンの組み合わせで放送前から大きな期待を集めた。

その組み合わせが生み出した結果は、期待以上のものだった。海外メディアは「物語を創造した脚本家の力、一瞬も目を離すことができない美しい演出、このすべてをそのまま具現化する俳優たちの熱演まで、まさに“完璧な三位一体”だった」と口を揃えた。ScreenRantは「『涙の女王』の成功要因はたくさんあるが、K-ドラマのレジェンドと呼ばれる脚本家、おとぎ話のような演出、バランスの取れたキャラクター、すべての俳優たちの熱演と、特に主演俳優のケミストリー(相手との相性)が素晴らしい」と評価し、「出演者はすべてのシーンで驚くべき演技を見せ、助演から主演まで、すべての登場人物の演技が作品の品格を高めている」と評価した。

◆豊かなストーリーの変奏

「涙の女王」は、視聴者が理解しやすいストーリーが展開されながらも、簡単に予測できないほど、毎回視聴者を強く惹きつける変奏があった。アメリカのフォーブス(Forbes)も、「多くの韓国ドラマが『そして幸せに暮らしました』で終わるが、『涙の女王』はその地点から始まるところが印象的だ」と説明した。またScreenRantは、「このドラマの中には、何度も期待を上回るストーリーがある。多くのサブプロット(主人公以外のキャラクターの物語)が、メインポロットからはみ出す瞬間を楽しくしてくれている」と好評した。タイム誌も「この物語は、結婚生活から抜け出そうとする試みを通じ、恋に落ちた理由を再発見することになる。予測は可能だが、時々それをはみ出すこともあり、とても人間的だ」と評価した。さらに香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(South China Morning Post)は、「興味深い物語の中に大きなどんでん返しがあったが、最終的にこの物語は2人の愛で終わりを迎えた。最後に最も純粋な幸せに到達した、最もロマンチックなK-ドラマだ」と評価した。

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