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2026年10月21日 AM09:20
大阪公立大学は9月18日、75歳以上の在宅高齢者2,091例を対象としたアンケート調査結果を用いて不眠症状と社会的フレイルの関連を検討した結果、不眠症状のある人はない人に比べて、社会的フレイルに該当しやすいことが示されたと発表した。この研究は、同大大学院看護学研究科の河野あゆみ教授、池田直隆准教授、佐藤由恵特任講師らの研究グループによるもの。研究成果は、「BMC Geriatrics」にオンライン掲載されている。

画像はリリースより
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フレイルは、要介護状態や死亡のリスクとなる高齢期特有の問題で、その関連要因を明らかにすることは老年学において重要だ。また、高齢者の約40%が不眠症状を感じているとされており、従来の研究では、不眠症状が将来のフレイル進行のリスクを高める可能性が示されている。
フレイルは身体的側面だけでなく、心理・認知的側面や社会的側面を含む多面的な概念であり、なかでも社会的フレイルは、社会参加の減少や対人交流の希薄化、社会的役割の喪失などにより、社会とのつながりが脆弱化した状態を指し、近年注目されている。しかし、社会的フレイルと不眠症状との関連については、十分に検証されていなかった。特に、配偶者の死別や身体機能の低下、社会的ネットワークの縮小といった出来事が重なりやすい75歳以上の高齢者を対象とした研究は乏しいのが現状だ。そこで、研究グループでは75歳以上の高齢者を対象に、不眠症状と社会的フレイルの関連を検証した。
社会的フレイル保有率は不眠症状ありで64.4%、なしの場合は40.0%
今回の研究は、大阪府松原市在住の75歳以上の在宅高齢者2,091例(75-84歳:1,377例、85歳以上:714例)を対象に、自記式アンケートを用いて、不眠症状と社会的フレイルの関連を検討した横断研究。不眠症状は日本語版アテネ不眠尺度、社会的フレイルはMakizakoらの5項目質問票で評価した。解析の結果、不眠症状あり群では社会的フレイル保有率は64.4%、なし群では40.0%と、不眠症状のある人の方が社会的フレイルになりやすい傾向が示された。
次に、年齢・性別・教育年数・就労状況・経済的不安・認知機能を調整した多変量ロジスティック回帰分析を行った結果、不眠症状あり群は不眠症状なし群に比べ、社会的フレイルに該当しやすいことが示された(調整オッズ比 2.35、95%信頼区間 1.91-2.88)。さらに、身体的フレイルの影響を考慮して解析を行ったところ、不眠症状と社会的フレイルの関連は引き続き認められた(調整オッズ比 1.93、95%信頼区間 1.56-2.40)。
睡眠状態の評価が、社会的フレイル早期発見の手がかりとなる可能性
今回の研究により、後期高齢者の睡眠状態を評価することが、社会的フレイルのリスクを早期に発見する手がかりとなる可能性が示された。身近な健康指標である睡眠を切り口に、社会的脆弱性に目を向けるフレイル予防の新しい視点を提供するものと考えられる。
「高齢者の睡眠を良好に保つ生活リズムのありようが、社会的ネットワークの維持と関連している可能性も示された。今後は、睡眠薬の適切な使用や日中の生活リズムの整え方も含め、不眠症状と社会的フレイルの因果関係などについて、さらに検証することが望まれる。今後も地域と連携し、実際の介護予防や健康づくりに役立つ研究を進めていきたい」と、研究グループは述べている。(QLifePro編集部)
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