サンリオが初めて自社で手がけるゲームブランド「Sanrio Games」。その第1作目タイトルとなる『サンリオ パーティランド』の発売を目前に控え、東京ゲームショウ2026(TGS)への初出展などを通じて、ユーザーが実際にゲームを体験する機会も広がってきた。試遊した人からは、キャラクターの新たな動きや表情に驚く声も聞かれたという。こうした反応を受け、サンリオは今、どのような手応えや期待を感じているのか。ゲームならではのキャラクター表現から、新たなファンとの接点、さらにはゲーム事業がサンリオ全体にもたらす可能性まで、改めて担当者に話を聞いた。
■TGS初出展に手応え、「このキャラクター、こんな動きをするんだ!」と驚きの声も
『サンリオ パーティランド』とは、自分のアバターを作ってハローキティやシナモロールなどのキャラクターたちと一緒に、45種類以上のミニゲームやボードゲームを楽しめるパーティゲーム。145以上のサンリオキャラクターが登場し、勝ち負けではなく全員で協力してゴールを目指す「みんななかよく」の世界観が魅力となっている。 本作は、サンリオが立ち上げた自社ゲームブランド『Sanrio Games』の記念すべき第1作目タイトル。これまでライセンス許諾のゲームタイトルが中心だった同社にとって、自社パブリッシングとして本格的にゲーム市場へ参入する初の試みであり、業界内外から大きな注目を集めている。
――ゲーム事業の本格化について、どんな期待感を抱いていますか?
「Sanrio Gamesには、キャラクターとの新しい接点を生み出す役割を期待しています。ゲームは、単にキャラクターを見るだけでなく、自らその世界に入り、遊び、キャラクターと時間を過ごすことができるコンテンツです。まずは一つひとつのタイトルをしっかりお客さまに届け、ゲームそのものを楽しんでいただくことが第一と考えており、その上で、これまでサンリオに親しんでくださっている方にはゲームを通じてキャラクターの新たな魅力を発見していただき、これまで接点がなかった方にも、ゲームをきっかけにサンリオキャラクターを知っていただきたいと思っています」
――9月に行われた東京ゲームショウ2026(TGS)では、Sanrio Gamesのブースを初出展。試遊体験をはじめとするお披露目の機会を経た今、手応えはいかがでしたか?
「東京ゲームショウでのブース出展は、Sanrio Gamesを体感いただく、1つの大きな接点になったと考えております。会期中は約2万5,000人の方にブースへお立ち寄りいただき、『サンリオ パーティランド』『Sanrio Kawaii Me Live!』の2タイトルで、合計約1万人の方に試遊いただきました。また『フラガリアメモリーズ Color of Wishes(カラー オブ ウィッシィズ)』のゲーム描き下ろしビジュアルも初お披露目いたしました。
試遊いただいたお客様からは、『かわいい!』とあわせて、『このキャラクター、こんな動きをするんだ!』といった声も伺うこともでき、ゲームだからこそ表現できるキャラクターたちの魅力が届いたことを実感した瞬間でした。皆さんが笑顔で楽しんでくださっている姿を見て、サンリオが自社のゲームブランドとして提供する体験価値を実感していただいたのではないかと思っています」
■レッドオーシャンのゲーム市場にあえて本格参入、「必要な投資を覚悟を持って行う」
――TGSにも多くの企業が出展していたように、今やゲーム市場はレッドオーシャンと言われています。そこに新規参入する中で、サンリオならではの勝算や勝ち筋はどのように描いているのでしょうか。
「ゲーム業界はすでに歴史と実績を持つ企業が数多く存在し、それらの企業がグローバルで新しい遊びを生み出そうと切磋琢磨されています。そのため、単にキャラクターが人気だからと言って、既存のゲームタイトルと同じようなゲームを出してもうまくいくものではないと考えておりました。その中で、サンリオがどのようなゲームをユーザーに届けたいかというビジョンを明確にし、その実現に必要な投資を、覚悟を持って行う必要があると考えています」
――ただ、サンリオならではの強みもあると思いますが。
「サンリオには多くのキャラクターが存在し、それぞれに長い歴史や個性があります。長年のキャラクタービジネスを通じて、ファンの皆さまが『キャラクターのどのような部分に魅力を感じているのか?』という知見も蓄積してきました。ゲームの企画・開発においては、そのキャラクターだからこそ成立する遊びや体験を考え、キャラクタービジネスで培ってきた強みとゲーム開発の知見と掛け合わせることで、サンリオだからこそつくれるゲーム体験を目指しています」
■映像、物販、テーマパーク…サンリオならではの“かけ合わせ”が可能に
――これまでもライセンスという形式でゲーム領域に携わってきましたが、今回はあえて“自社パブリッシング”に踏み切りました。これにより、サンリオファンや新規ユーザーが受け取る「体験の質」や「熱量」にはどのような変化が生じると考えますか?
「大きな違いは“キャラクターの幅”と“連動性”です。ライセンスのゲームでは、どうしてもハローキティやシナモロール、クロミなどの人気の高いキャラクターに注目が集まる傾向があります。しかし自社開発であれば、多くのキャラクターにもスポットを当て、魅力を引き出すことができます。また、キャラクターそれぞれの世界観を深く反映したゲーム体験の設計、多様なジャンルのゲーム開発など、その組み合わせやタイミングを自社で戦略的に設計することもできます」
――戦略というと、どのようなことでしょうか?
「映像、物販、テーマパークなど、サンリオの他の事業とタイミングを合わせて、全社的な“キャラクターの周年企画”や“ID戦略(Sanrio+)”と深く連動させた体験を提供できるのも強みです。ゲームは、日々遊べて時間を過ごせるという意味でエンゲージメントの質が高いものです。サンリオ自身が企画段階から関わり、キャラクターの魅力を生かしながら自社アセットをフル活用した体験設計ができることは、さらに顧客エンゲージメントを高めることにつながると考えています」
――たしかに、そうした多角的な展開はサンリオならではですね。
「あわせて、『サンリオキャラクターではこういったゲームができる』といった新たな挑戦をすることで、自社ブランドタイトルとライセンスタイトルの両輪で、サンリオならではのゲームによるエンターテイメントを届けてまいります」
■サンリオの企業理念「みんななかよく」を体現、キャラクターたちとの新たな出会いの入り口に
――ゲームのコンセプトについても教えてください。『サンリオ パーティランド』は、パーティーゲームでありながら「競争」ではなく、「協力して全員でゴールを目指す」という平和な設計が印象的ですね。
「企画を進める上では、“なぜサンリオがその企画をやるのか”を根本に置いています。『サンリオ パーティランド』では、”サンリオの企業理念である『みんななかよく』の体現” 、“新しい笑顔の創出” 、“幼少期のサンリオとのデジタル接点”などのコンセプトがあります。普段ゲームに慣れている人でもそうでない人でも、大人から子どもまで世代を超えて楽しめますし、協力しあいながら思わず皆で笑顔になるというところも非常に大事にしています」
――その理念は、ゲームにもしっかりと生かされているのですね。
「サンリオはこれまでも、商品やテーマパークなどを通じて、キャラクターたちとの出会いを届けてきました。Sanrio Gamesもまた、キャラクターたちとの新たな出会いの入り口になろうとしています。ゲームの中で一緒に時間を過ごしているうちに、はじめは何気なく出会ったキャラクターがいつの間にか大好きな存在になり、ファンやユーザーに長く寄り添えることを目指しています」
■「私のサンリオの原体験は、このゲームだった」 未来のファンを生むゲーム事業へ
――ゲーム開発会社と一緒に開発を進める中で、特に時間がかかったことや苦労されたことはありましたか?
「ゲーム開発で最も苦労しているのは、完成までの期間が長く、開発途中で『本当にこれが正解なのか』を判断しにくいことです。キャラクターの世界観とゲームとしてのおもしろさをうまく組み合わせることは大変ですが、そこはゲーム開発視点と、サンリオのキャラクターブランディングの視点をかけあわせ、ゲームならではの“どきどきわくわく”と、サンリオキャラクターならではの“かわいい”や“癒し”が融合することを目指してきました。2タイトルではそれが実現できていると考えています」
――Nintendo Switch/Nintendo Switch 2 用パーティゲームソフトの『サンリオ パーティランド』に加え、スマートフォン向けの2タイトル(『Sanrio Kawaii Me Live!』『フラガリアメモリーズ Color of Wishes』)が揃いました。ターゲットやプラットフォームの異なるこの3本の組み合わせによって、サンリオ全体としてはどのような新しいファン層の開拓を描いていますか?
「サンリオでは、これまでグッズやテーマパークなどリアルな接点が中心でしたが、現在はタブレットやゲームなどデジタルコンテンツを入口にキャラクターと出会うお客さまが増えています。特に海外ではデジタル接点をきっかけにキャラクターを認知するケースも増えており、ゲームは新しい顧客接点として重要な領域だと考えています。さまざまなジャンルやプラットフォームのゲームを展開することで、これまでサンリオと接点のなかったお客さまにもリーチし、キャラクターとの新しい出会いを生み出していきたいと考えています」
――ゲームというメディアなら、言語を超えて世界中に浸透しやすい強みがありますね。
「国内だけでなくグローバルにもゲームを届けることで、世界中のお客さまとの接点をさらに広げていきたいと考えています。ゲームだけで完結するのではなく、そこで生まれたキャラクターとの出会いや体験が、グッズや映像、イベントなど、サンリオが持つさまざまなエンターテインメントへとつながる循環を生み出すことも、Sanrio Gamesが担う役割の一つです」
――今回のゲーム事業の本格始動は、5年後・10年後の「サンリオのキャラクターやIPの在り方」をどう変えていくと捉えていますか?
「サンリオは、“グローバルIPプラットフォーマー”を将来のビジョンとして掲げており、ゲーム事業はその柱となるべく、進めてまいりました。これまでも、グッズや店舗、テーマパークなどを通じて、お客さまとキャラクターたちとの出会いを届けてきました。 Sanrio Gamesもまた、キャラクターたちとの新たな出会いの入り口になるかと思います。将来、『私のサンリオの原体験は、このゲームだった』と言ってもらえるような機会をお届けできたら嬉しいです」
(C) 2026 SANRIO CO., LTD. 著作 株式会社サンリオ
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