Epic Games社は10月23日(金)、アルゼンチンのインディーゲームスタジオ・Ephemera GamesによるアクションRPG『Kernel Hearts』のUnreal Engine活用事例を公式Xで公開した。記事では、GameplayTagsやData Assetsを用いた戦闘システムの設計、UE5のモデリング機能によるレベルデザイン、Epic Online Services(EOS)を活用したクロスプレイの実装などを紹介している。

戦闘システム&アニメーション制御

『Kernel Hearts』の戦闘システムでは、UEのGameplayTags(ゲーム内のオブジェクトや状態に識別用のタグを付与し、大量のブーリアンによる条件分岐を避ける)を活用し、複雑な攻撃属性や処理間の連携を管理。本作では攻撃ごとの魔力回復量、敵のノックバック距離、ヒットストップ時間、ガード不能の判定などを細かく調整したという。「プログラムのロジックを複雑にすることなく、システムを簡単に拡張できるのが最大の利点だ」とリードプログラマーのGonzalo Ferretti Da Silva氏。

また、戦闘アニメーションの制御にはAnim Notifiesを採用。Anim Montage上にイベント発火のタイミングを直接配置することで、攻撃判定の有効化、魔法の発動、次の攻撃へ移行できるキャンセル受付時間などをフレーム単位で調整している。タイマーによる制御と比較し、アニメーションの修正に合わせてイベントの発生タイミングを直感的に変更できる点が特長。

Data Assetsの活用とUE内で完結するモデリングワークフロー

プレイアブルキャラクターの技やコンボの設計には、ゲーム内で使用する各種パラメータや設定をアセットとして保持する仕組みであるData Assetsを活用。本作では空中からの落下攻撃や、攻撃の命中時のみ異なるアニメーションへ分岐する技など、共通の属性を持つ動作を効率的に管理している。従来のような、アニメーションごとに処理をハードコーディングする手法は避け、コンボの構成を迅速に変更できる基盤を整えた。

レベルデザインでは、UE5の統合モデリングツールを積極的に採用。レベルデザイナーのAlejo Regueiro氏は、PolyCutやCubeGridを使用し、ブロックアウトから最終アセットの調整まで、エンジン内でメッシュを直接編集したという。「これらのツールだけで、チームの作業時間を数日分節約できました」とRegueiro氏。MayaやBlenderなどの外部DCCツールとの往復を減らし、レベルデザインの反復作業を高速化したという。

Online SubsystemとEOSによるクロスプレイ実装

マルチプレイ機能の実装には、UEのOnline Subsystemを使用。プラットフォームごとに異なるオンライン機能への接続処理を共通の仕組みで扱い、P2Pによるマッチングや接続管理を効率化した。さらにEpic Online Services(EOS)とOnline Subsystem EOSプラグインを組み合わせ、異なるプラットフォーム間でのクロスプレイを実現。Gonzalo Ferretti Da Silva氏は、「各PCストアやコンソール向けの個別実装に伴う負担が軽減され、開発を大幅に迅速化できました」と説明する。

■Ephemera Games
https://ephemeragames.com/

■Kernel Hearts公式サイト
https://kernelhearts.com/

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