生まれる国も、親も、家庭の経済状況も選べない。そんな「もう一つの人生」を体験できるシミュレーションゲーム『80億分の1』がSNSで話題になっている。

個人開発者のJin Hwi-eusさんが10月5日に公開したブラウザゲームで、世界141か国の統計データをもとに、誰かの一生を0歳から最期まで体験できる。

学校に通い、仕事を探し、恋をして、家族を持つ──人生の節目ではプレイヤー自身が選択するものの、思いがけない出来事に遭遇することもある。

ゲーム本編は無料で、会員登録やインストールも不要。日本語にも対応している。

生まれは選べない! 141か国の統計をもとに人生スタート

『80億分の1』は、世界のどこかにランダムに生まれ、一人の人間として人生を送るシミュレーションゲームだ。

ゲーム開始時に選べるのは、生まれる時代や国の抽選方法、プレイ時間など。過去/現在/未来の世界を選択でき、国は年間出生数または人口比率に応じてランダムに決定される。

性別、親の経済状況、どんな人生が待っているのか、すべては生まれてからのお楽しみだ。

インドの男性・Aarav Reddyとして生を受けた

インドの男性・Aarav Reddyとして生を受けた/画像は公式サイトより

人生がはじまると、進学や就職、恋愛、結婚、移住、治療など、さまざまな決断を迫られる。

プレイヤーの状態は「健康」「幸福」「知識」「人間関係」といった数値でも表現され、選択によって変化。ただし、努力すれば必ず報われるわけではない。生まれた環境や運によって、人生の行方は大きく左右される。

こうした展開には、国連や世界保健機関(WHO)、世界銀行などが公開する統計データを活用。平均寿命や所得格差、教育環境、疾病、死亡率などがシミュレーションに反映されている。

倍速再生や自動進行にも対応しており、自分で決断を重ねるだけでなく、一人の人生を見守るように遊ぶこともできる。

要所要所でちょっとした選択を求められる

要所要所でちょっとした選択を求められる/画像は公式サイトより

同じ瞬間に生まれた4人の人生も追体験

『80億分の1』でユニークなのが、自分と同じ1秒間に生まれた4人の人生も同時に進んでいくという仕組み。

世界のどこかで同じ瞬間に生まれた5人。しかし、生まれた国や家庭が違えば、歩んでいく人生も大きく異なる。

ゲーム中も他の4人の活動が流れていくほか、結果画面でも一覧できる

ゲーム中も他の4人の活動が流れていくほか、結果画面でも一覧できる/画像は公式サイトより

自分が学校へ通っている頃、ほかの誰かは働きはじめているかもしれない。家族に囲まれて長生きする人もいれば、幼くして命を落とす人もいる。

人生の節目では時間が一時的に停止。その人物と自分自身の人生を重ねて考えるための問いが投げかけられる。

人生を終えるとドット絵で生涯を振り返る画面に

人生を終えるとドット絵で生涯を振り返る画面に/画像は公式サイトより

人生を終えると、それまでの歩みを振り返り、共有カードとして記録することも可能。有料の記録保存機能では、人生を映像やアルバムにしたり、ほかのプレイヤーが訪れて追悼できる「メモリアル」に残したりできる。

SNS上でも、思いがけない結末を迎えた人生や、長い年月を生き抜いた人物の記録など、さまざまなプレイ結果が共有されている。

開発に生成AIを活用 構想から公開までわずか4時間

本作を手がけたJin Hwi-eusさんは、生成AIを活用して開発を進めている個人開発者。

韓国メディア「国民日報」が10月10日に公開したインタビューによると、Jin Hwi-eusさんは10月5日、以前から温めていたアイデアを生成AIに入力し、制作を開始した(外部リンク)。

その後、SNSのThreadsで制作過程を共有したところ、ゲームを試したいという反応が寄せられ、Webサイトを公開することになったという。

最初に生成AIへ指示を入力してから、初期版の公開までは約4時間。その後もユーザーからの意見を取り入れながら開発が続けられている。

また、Jin Hwi-eusさんは同インタビューで、自分が生まれた環境への感謝だけで終わらず、異なる境遇に生まれた人々への理解や尊重につながってほしいという思いを語っている。

『80億分の1』は現在ベータ版として公開中。日本語、英語、韓国語に対応している。

なお、作中では病気や死、戦争、貧困などの出来事も描かれるため、15歳以上を対象としている。

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Yugaming

ライター/編集者。1990年生まれ、東海地方在住。インターネットに青春時代を持っていかれた。「KAI-YOU」「KAI-YOU Premium」「Real Sound Tech」などで、VTuber、ゲーム、eスポーツRを中心にインターネット発のカルチャーやコミュニティについて執筆。個人ではnoteにて活動するほか、VTuber文芸・歴史編纂誌『風とバーチャル』にも寄稿している。

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