「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」

Wizards of the Coast傘下の新スタジオ“Invoke Studios”(旧:Tuque Games)が開発を手がける“ダンジョンズ&ドラゴンズ”テーマの新作アクションアドベンチャーとして、昨年末にアナウンスされ、今年8月には初の本格的なゲームプレイ映像がお披露目され話題となった「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」ですが、先日“東京ゲームショウ2026”に併せて、本作のプレゼンテーションが実施され、Invoke Studiosの創設者でもあるクリエイティブ担当VPジェフ・ハッテム氏に、本作の気になるあれこれについて、根掘り葉掘り聞くことができました。

PS5とXBOX Series X|S、PC向けの新作「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」は、ダンジョンズ&ドラゴンズのホラー系キャンペーン設定“レイヴンロフト”世界が舞台となる三人称視点のオープンワールドアクションアドベンチャー。“レイヴンロフト”がビデオゲームの舞台になるのは、(90年代中盤のSSI時代以来)実に30年ぶり近い出来事で、ここに“ダンジョンズ&ドラゴンズ”世界屈指の大物魔女(かつ、神に匹敵するような存在とも言える人気キャラクター)ターシャが登場するとあって、D&Dビデオゲームファンにとっては2重のサプライズで注目を集めています。

参考:8月のgamescomにてお披露目された初のゲームプレイ映像

今回東京で行われた「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」のプレゼンテーションは、本作の日本語化済みビルドを用いたハンズオフプレビューと開発者のインタビュー。PS5で動作していた日本語ビルドは、まだ一部に英語のテキストが残っている状態でしたが、UIやHUD、ダイアログを含め、かなり順調に開発が進んでいる様子が確認できました。

ハンズオフプレビューについては、主に上掲のgamescomゲームプレイ映像とほぼ同じ内容を開発者が実際にプレイしてみせるもので、主人公カァトリが使い魔のインプを従え、クリックシャンクと呼ばれる町を訪れ、住人たちとのやり取りを経て、不気味な地下室や開かれた農地の探索、異なる勢力の敵NPCが入り交じる大規模な集団戦を描いていました。

ゲームプレイ的には、炎で引火した木や草を水で消火するようなエレメンタル系の環境インタラクションや、馴染み深い魔法を活用する環境パズル、大がかりな効果が得られる儀式的な呪術の発動、魔法や武器、契約の恩恵を駆使する“ウォーロック”クラスならではのハイブリッド戦闘が確認できるもので、Unreal Engine 5を採用する鮮明なビジュアルと非常に軽快な動作が印象的でした。

前述の通り、ゲームプレイそのものは8月に公開されたものとほぼ同じ内容だったため、今回のインタビューでは、レイヴンロフト世界の中でも、(象徴的な人気ゴシックホラー領域バロヴィアや、実装されたばかりのコズミックホラー領域インスマスなどではなく)ダークファンタジーや災害ホラーに適した“ダーコン”を採用した理由や、主人公カァトリがダーコンを訪れる背景、これまでレイヴンロフトとは全く関わりがなかったように思う魔女ターシャの登場など、ストーリー面で気になる疑問を思う存分ぶつけてみました。

本作の開発を率いるジェフ・ハッテム氏は、筆者の前のめりな質問にも、非常に詳細かつ分かりやすい説明を提示していて、結果として謎だらけのプロットがかなり整理されたと思いますので、レイヴンロフト世界の冒険やターシャ参戦の背景が気になっている方は、是非インタビューをご一読ください。

「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」

“WARLOCK”には馴染み深いモンスターも多数登場する

―― doope!:8月のお披露目には、とても驚かされました。レイヴンロフト世界がビデオゲームになるのは、30年ぶりくらいだと思いますし、まさかターシャまで登場するなんて!本当にびっくりです。

レイヴンロフトと言えば、やはりストラード伯爵と(彼の領地である)バロヴィアを思い浮かべる人が多いと思います。今回、ダーコンを舞台に選んだ背景を教えてもらえますか。

ハッテム氏:確かにそうですね。皆さん“Domains of Dread”(戦慄界)や“レイヴンロフト”と聞けば、まずストラード伯の名前を思い浮かべると思います。

ストラードと言うと、私はレイヴンロフト城や吸血鬼、ガーゴイルを思い浮かべますが、私たちが求めていたのは、魔法とオープンワールド探索が楽しめる、大きな世界でした。

ダーコンはレイヴンロフトの中で最も広い領域で、独自の特性を持っています。

バロヴィアの頂点にはストラード伯がいますが、ダーコンにはダークロードがいません。そのため、霧によって世界が引き裂かれつつあり、これが探索とゲームプレイ体験にとても興味深い要素をもたらしているわけです。

―― なるほど!(ダーコンのダークロードだった)アザリンに会えるかどうか、気になっていたんですが、彼のいない時代が舞台なんですね。

ハッテム氏:そうなんです。アザリンは“Hour of Ascension”と呼ばれる出来事によって、ダーコンを脱出したと噂されています。この事件は空に“King’s Tear”として知られる亀裂を生み出しました。

アザリンがいなくなったことで、ダーコンは混沌としているのです。(筆者注:レイヴンロフト世界にある様々な領域[ドメイン]には、それぞれに当該領域を統治するダークロードが存在しています。ただ、ダークロードは謎の力によって捕らえられ、いわば“罰”として領域を与えられた存在に過ぎず、ダークロード自身が囚人でもあるわけです。捕らえられたダークロードを中心に領域が“発生”するため、支配者を失った領域は徐々に崩壊し始めることになります)

―― ということは、本作のダーコンは、近年(第5版以降)の設定をしっかり踏襲しているということでしょうか。

ハッテム氏:そうですね。厳密には、“インスパイア”されていると考えて下さい。

―― ところで、本作の主人公“カァトリ”はダーコンで何をしているのでしょうか。

ハッテム氏:カァトリは歴戦の戦士で、その目的は自分にとって大切な誰かを見つけることです。そして、目的を実現するために、ウォーロックとなり、魔法の力を得る契約を結んだのです。

―― ということは、カァトリはレイヴンロフトに自ら“やって来た”人物なんでしょうか。
レイヴンロフトと言えば、大抵は何かに巻き込まれたり、霧に迷い込んだり、望まずして囚われることが多いですが、自ら飛び込む人は珍しいですね。そんな事は可能なんでしょうか。

ハッテム氏:そうですね。普通であれば、誰でも“戦慄界”から脱出しようとするものですが、今回は珍しいことに、あえて中へと入っていくことになるんです。

カァトリは元ファイターで、フォーゴトン・レルムの“ヴァサ”出身です。(※ ヴァサはフェイルーン北部に広がるツンドラ地帯、ウォーロック騎士団が統治していた土地として知られる)

確かに、レイヴンロフトに“入る”ことは難しいですが、カァトリと契約するターシャにはその力があるわけです。

「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」

主人公カァトリ(左)と魔女ターシャ(右)

―― なるほど、ターシャならば造作もないことですね。
しかし、ターシャがそんなことに協力している、まずそのこと自体が驚きです。きまぐれな彼女の興味を惹くような何か、あるいは何らかの狙いがあるのでしょうか。

ハッテム氏:ターシャにも彼女なりの理由があるのです。

彼女は非常に強大な太古の魔女の女王であり、そんな彼女がカァトリを助けているということは、ターシャ自身にも何か得るものがあるはずだと想像できます。

付け加えるなら、彼女自身の“楽しみ”でもあるということでしょう。太古の存在であるターシャは、人生を“疑似的”に生きることができるんです。ターシャは、誓約相手を通じて、まるで初めて経験するかのように他者の感情を生きることができます。

つまり、カァトリが経験する感情や体験のすべてを、ターシャも共に生きているのです。それがターシャにとっては心躍ることであり、そのこと自体が楽しみの1つでもあるんです。

―― とても面白い関係ですね!それにしても、ターシャという人は、いつも善人なのか悪い人なのか、敵か味方か分からないような人ですよね。
本作に登場するターシャはどんな人物として描かれているのでしょうか。

ハッテム氏:まさにそう!ターシャはとても複雑な人物なんです。

ターシャは、渾沌に満ちた、“いい”キャラクター、極めて興味深い人物として描かれているので、ぜひ楽しみにしていてください。

―― では、ゲームプレイについてもお伺いします。まず、ダーコンのオープンワールド環境はどれほどの広さになるでしょうか。

ハッテム氏:ダーコンは“戦慄界”の中で最大の領域です。世界は多彩な地域に引き裂かれていて、それらすべての地域を巡るにはミストを渡っていく必要があります。

カァトリが持つ魔法の能力が、世界を探索する助けになるのですが、ミストで区切られている構造上、具体的な広さを示すのが少し難しいですね。

―― 今回拝見したゲームプレイでは、町の地下室や山々の向こうにミストらしき霧が見え隠れしていました。移動可能なエリアがミストで区切られているような認識であっているでしょうか。

ハッテム氏:境界と呼ぶべきかは分かりませんが、ミストはダーコンの土地を侵食しつつあります。

つまり、霧でエリアを区切っているのではなく、ダーコンの周囲を取り囲んでいるだけではなく、領域の内側にもミストが広がっていて、文字通り土地を引き裂いているのです。

ミストはそこかしこに存在し、そして生きています。誰もがミストを渡れるわけではありませんが、カァトリは何らかの助けを得て、ミストを渡り、ダーコンのさまざまな地域へたどり着く方法を見つけるでしょう。

―― 戦闘や魔法のインタラクションはとても楽しそうでしたが、戦闘以外のアクティビティはありますか?

ハッテム氏:このゲームはアクションアドベンチャーで、プレイヤーはカァトリと共に冒険をしています。アクションRPGではないので、釣りのようなRPG的要素はありません。

魔法を使って世界を探索し、自分の呪文を最大限に活用して数々の謎や環境ギミックを解決していく、そのことが本作で体験できるゲームプレイの柱になります。

―― ストーリー展開はリニアでしょうか。それとも分岐や選択の自由がありますか?

ハッテム氏:カァトリは自分自身の旅を歩んでいて、ゲーム内には明確な物語的瞬間があります。その意味では、これは線形のストーリーです。プレイヤーはカァトリと共に、彼女の旅路を辿ることになるわけです。

―― なるほど、ストーリーはリニアだけども、探索には自由があるという構造でしょうか。

ハッテム氏:そうですね。ダーコンの探索は自由に楽しめます。また、私たちが“ミステリー”と呼んでいる、メインクエストとは別の、小さな物語を楽しむことができますよ。

「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」

ゾンビ化したオーガと戦うカァトリ

―― カァトリのプレイスタイルについてはいかがでしょうか。

ハッテム氏:そこにも幅広い選択がありますよ。どの武器を選んでプレイするかによって、大きくプレイスタイルが変わります。

多彩な呪文のアップグレードも可能で、どの呪文をどう強化するかによってもプレイスタイルが変化します。

今回のゲームプレイでは、片手持ちの剣を使っていましたが、(“ウォーロック”クラス固有のメカニクスである)“契約武器”として、両手持ちの剣を使うこともできます。

(契約武器ではない)メインの武器には、多種多様な剣を用意していますが、セカンダリ武器となる契約武器にも様々なバリエーションがあります。今回は両手持ちのハンマーを少しお見せしましたが、今後もさらなる武器を紹介する予定です。

彼女は剣と契約武器を組み合わせて攻撃できるだけでなく、剣を自在に具現化することもできます。メインの武器と契約武器を行き来しながら戦えるわけですね。

―― プレイスタイル絡みでもう一点、既にターシャと契約しているということは、カァトリのサブクラスは固定ということでしょうか。(※ ウォーロックは契約相手によってクラスの特性が大きく変化する)

ハッテム氏:そうですね。特にカァトリは“剣の契約”を取得したウォーロックで、契約相手であるターシャから能力を得ています。

これがウォーロックとなったカァトリの土台となっています。彼女は元々戦士だった過去を活かして、“剣の契約”を結んだウォーロックとして戦うわけです。

―― 開発について、お伺いします。スタジオには、Invoke Studiosにはどんなキャリアの開発者たちが在籍しているのでしょうか。

ハッテム氏:Invoke Studiosは、ケベック州のモントリオールを拠点にしていますが、この地域の業界には数々のオープンワールド・アクションアドベンチャーゲームを手がけてきた豊富な経験があります。

チームの開発者がこれまで手掛けてきたタイトルには、「Far Cry」や「Watch Dogs」シリーズ、「Marvel’s Guardians of the Galaxy」、後期「Deux Ex」など、さまざまな作品があります。

私たちはこれまでもこうした作品の一部で共に仕事をしてきた仲間でしたが、今はInvoke Studiosとして一丸となって「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」に取り組んでいます。

―― スタジオの規模はどうでしょう。

ハッテム氏:今はおよそ180名近い規模ですね。“ダンジョンズ&ドラゴンズ”の素晴らしいゲームを作り上げることに情熱を注ぐ、才能あるチームと一緒に働けて、とても嬉しく思っています。

―― なんと、かなりの規模ですね!では、ゲームプレイのボリュームについてはいかがですか?

ハッテム氏:100万年!というのは冗談ですが、かなり長いですよ。

―― なるほど(笑)。ということは、かなり長く開発されていたんでしょうか。

ハッテム氏:もうかれこれ、4年ほど「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」に取り組んでいますね。

完成も楽しみですが、ここまでもとても楽しい道のりでした。

―― 丁寧に解説頂きありがとうございました。「WARLOCK: DUNGEONS & DRAGONS」の完成と発売、とても楽しみにしています!

Warlock: Dungeons & Dragons

■ 禁術に身をゆだねよ

魔法でルールを書き換え、すべての障害物を出し抜き創造力を活かして勝利を収めよう。

■ 魔法と近接戦闘をマスターせよ

激しく生々しい戦闘で禁じられた魔法と異世界の近接武器を駆使し、邪魔者をすべて打ち負かす。

■ 鍵となるのは、魔法

呪文と儀式を発見ツールに変換。隠された道を明らかにし、秘密を暴き、未開の魔法を手に入れよう。

■ ダークファンタジーのオープンワールドを探索しよう

ダーコンの霧を超えて、ダンジョンズ&ドラゴンズの世界の美しくも不気味な領域の謎を明かそう。

■ 契約によって、ウォーロックとなれ

強力な古代の魔女、ターシャと危険な協定を結ぶカートリ。ウォーロックの魔法を習得するための冒険に乗り出し、自分が失ったものを見つけるためにすべてのチャンスを賭ける。

スパイク・チュンソフト

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