2026年9月17日,韓国のインディー開発会社Studio BBBの「MONOWAVE」(PC / Nintendo Switch)がリリースされた。
 本作は,幸せ,悲しみ,怒り,不安という4つの感情を切り替えて進む2Dパズルアクションで,日本のインディーパブリッシャのPhoenixxが販売を担っている。

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 9月17日から21日まで開催された東京ゲームショウ2026で,4GamerはPhoenixx代表取締役社長 CEOの坂本和則氏らと,Studio BBB代表のイム・グォニョン氏に話を聞く機会を得た。
Phoenixxの3人。左から
・栗山陽光氏 MONOWAVE パブリッシング担当
・坂本和則氏 代表取締役社長 CEO
・野崎雄大氏 マーケティング部門 本部長

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[2025/12/11 08:00]

 まず話を聞いたのは,Phoenixxの野崎雄大氏と,MONOWAVEのパブリッシングを担当する栗山陽光氏だ。

 Phoenixxと「MONOWAVE」の出会いは,台北ゲームショウだったという。Phoenixxの担当者が会場でこれを見かけ,興味を持って開発側に声をかけたそうだ。

 また,Phoenixxは台北ゲームショウのイベントパートナーでもあり,KOCCAのピッチングイベントでも本作が強く推されているのを見ていたという。
 あちこちで名前を聞く作品だけに,ほかの会社も声をかけていただろうとのこと。そのなかでPhoenixxの熱意が伝わり,パブリッシングが決まった。

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[2026/03/16 17:00]

 パブリッシングの決め手となったのは,Phoenixx自身がマルチプラットフォームでタイトルを展開しており,世界で売りたいという開発側の意向に応えられる実績があったこと。そして交渉の段階から,このゲームをどう売りたいかをすり合わせたうえで最終提案をしたことだ。
 東京ゲームショウに合わせた発売はもともとの狙いだったが,開発のタイムラインが当初の想定から変わり,実際には何度か発売のタイミングを調整している。

 Phoenixxでは1タイトルに複数のプロデューサーが付くことがあり,「MONOWAVE」も段階的に担当者が増えていった。
 その役割は,進行管理とQA管理,PR,そして開発とのゲーム性に関する議論・調整だ。
 開発者には作りたいものがあり,パブリッシャはマーケットを知っている。この両者は必ずしも一致しないため,マイルストーンを引くだけでなく,どう作ればより多くの人に知ってもらえるかを話し合いながら進めていく。
 やりとりは英語が基本で,細部を詰める際には日韓通訳を入れて進めたそうだ。

 ただし,ゲームの中身に細かく口を出すことはない。致命的なバグやNGな部分は指摘するが,作品の根幹は開発者自身に委ねている。
 例外的に議論になったのが,パズルの難度調整だ。
 このゲームは子供から大人まで幅広い層が遊べる世界観になっているが,難易度を上げると,そうした層が離脱しかねない。

 一方で,雰囲気を重視しすぎればパズル要素が弱まり,パズル好きには物足りなくなる。どちらを重視するかはかなり議論を重ね,最終的なバランスを探ったそうだ。

 ではイム氏はどちらを取りたかったのか。聞いてみると,Phoenixx側からは「やはり世界観を大事にされているかなと思う」という答えが返ってきた。物語もあり,そこが売りでもあるので,潰さないようにしているそうだ。

 そこへPhoenixx代表取締役社長の坂本和則氏が合流した。本作を最初に「いい」と評価した人物でもある。

4Gamer:
 坂本さんが最初に気に入ったと伺いました。どこを好きになったんですか。

坂本氏:
 台北で見て,世界観がとにかく優しそうだなと思ったんですよ。やってみたら,この絵と世界観とゲームのデザインが絶妙にマッチしてて,こういうパズルゲームなかったなと思って。
 そのときからずっと追っかけてます。1年,2年ぐらいになるかな。

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 最初のころは開発1年ぐらいしか経ってなかったんですけど,その時点でもうこの世界観はガッツリできあがっていて。で,クリエイターたちがめちゃくちゃ若くて。学生同士の友達だったみたいな。

4Gamer:
 先週,オフィスにも行かれたとか。

坂本氏:
 行かせてもらいました。KOCCAがサポートするコンテンツに選ばれていて,オフィスごと貸してもらっていて。すごい期待されてるんですよ。だからプレッシャーかけられましたけど。「よく見つけてくれた」「センスがいいよ」って言われて。

 そのオフィスビルの8階と9階のフロアが全部,スタートアップの会社とゲームをサポートする会社で埋まってるんです。で,8階と9階を行き来したいっていうんで,普通のビルだったのをぶっこ抜いて中に階段を作ってて。
 取り組みも聞かせてもらって,そのなかでも今このBBBが期待されている,本当に楽しみだ,というふうに言われて帰ってきました。

4Gamer:
 インディーデベロッパがいっぱい集まってるなかで,ですか。

坂本氏:
 そうなんですよね。そのなかで切磋琢磨してるし,一緒に過ごせる憩いのスペースみたいなのがあって,そこで意見交換もしてるようですし。
 うちは人柄も結構重要視してて,作ってる人のある種の上品さみたいなものをすごく大事にしてるんですけど,そのなかでもあの人たちってすごく人柄がいいんですよ。チームが仲いいんですよね。

4Gamer:
 すごく楽しそうな環境ですね。Phoenixxさんはインディーイベントも主催されていますし,相性の良さを感じます。ありがとうございました!

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 そして翌日,Studio BBB代表のイム・グォニョン氏にも話を聞いた。発売から2日目である。
イム氏

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4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。今回のTGSはどうでしたか。

イム氏:
 私も3年続けて来ているんですが,今年が一番人が多かった気がします。

4Gamer:
 私も,人混みがすごかったなと感じています。ローンチに向けて,開発会社としてはどんなことをやってきたんですか。

イム氏:
 去年は,まだパブリッシング契約の前でした。今は契約をしているわけですが,契約の交渉の最初の段階から,開発会社としてもできることは最大限やりたい,という意見をかなり強く伝えました。

4Gamer:
 「絶対にこれはやる」と主張したことはありますか。

イム氏:
 絶対に,というよりは,責任とか権利といったものは付いてくると考えていたので,「共同」という表現を多く使ってやりましょう,と言っていました。
 どちらかに傾かずに,一緒に責任を負っていきましょう,と。

4Gamer:
 Phoenixxさん側に「MONOWAVE」のプロデューサーが複数人いると伺いました。実際,どういう体制なんですか。

イム氏:
 今は4人ですね。1人ずつ増えていってます。

4Gamer:
 4人は別々の役割を担っているんですか。

イム氏:
 明確に役割が分かれているわけではないんですけど,主な窓口役をしてくださる方が1人いて。あとは,ものすごく多くの仕事を一つひとつこなしてくれている感じで,きっちり分担されているわけではないのかなと思っています。

4Gamer:
 Phoenixxさんは,ゲームの根幹には口を出さないと言っていたんですが,実際に何か言われたことはありますか。

イム氏:
 開発の面ではほとんど関与されていないです。なので,むしろ私のほうから「こういうことをやってほしい」と先にアピールするほうですね。
 サウンドトラックをぜひ発売してほしいと言ったら,急に担当者が1人増えて,サウンドトラックを担当することになりました。

4Gamer:
 増えた(笑)。もともとグッズがお好きですよね。

イム氏:
 今回もノベルティを韓国で作って,追加料金を払ってまで受託手荷物の重量を増やして持ってきて,「全部配り切ってください」とお渡ししました。

4Gamer:
 持って行っていいですか,と聞いたんですか。

イム氏:
 はい。OKと言われたので,「だったらステッカーも1000枚持って行きます!」と。少しずつハードルを上げています。

4Gamer:
 やり方がうまい(笑)。だんだんPhoenixxさんの笑顔がなくなってきたりは。

イム氏:
 そこまでではなかったですね。「頑張ってくれ」という感じで。今は発売直後で一番重要な時期なので,何でももっとやらなきゃという気持ちが強いんです。

4Gamer:
 さて,実際にリリースしてみてどうですか。

イム氏:
 1週間ほど,1日3時間も寝ないくらいものすごく忙しく走ってきて,結局,東京で発売の瞬間を迎えました。とりあえず,疲れました。

4Gamer:
 メンバーもやっと休めるという感じですか。

イム氏:
 「ああ,これでちょっと休めるな」という雰囲気ではあります。私が1人で来ているのは,残りのメンバーが韓国でバグを直しているからなんですけど……。
 あと,冗談として話していい内容か分からないんですが,配信を開始した30分後に,急に地震が来まして。

4Gamer:
 ちょっと怖さがありますね……。ともあれ売れ行きはどうですか。

イム氏:
 正確な数字ではないんですが,今のところ1000本ほど売れているように見えます。ただこれはSteam版だけで,Switch版のほうは私もまだ把握できていないんです。
 レビューも上がっていて,ありがたい言葉も多いですし,少しチクッとする言葉もあって,今いろいろと対応しているところです。

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4Gamer:
 坂本さんが,KOCCAから「俺たちのゲームをちゃんと売れよ」と圧をかけられたと冗談で言っていましたね。

イム氏:
 意図したわけではないんですが,発売の1週間前に,韓国の板橋(パンギョ)でゲームのイベントが開かれたんですね。

 GXGというイベントで,そこに日本のパブリッシャとして坂本さんが招待されたんです。それで私がおもてなしをすることになりまして。
 これまで日本に来たときには何度もご馳走になっていましたし,韓国でPhoenixxの方をお迎えするのは初めてだったので,これはちゃんとおもてなししないと,と思いました。しかも社長が直接いらっしゃるので。

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まさに,という画像が出てきて思わず笑ってしまった

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4Gamer:
 何を案内したんですか。

イム氏:
 板橋を案内して,私がいるオフィスも紹介しました。KOCCAの支援を受けて入居しているところなので,関係者の方にも簡単な紹介とミーティングをしていただいて。

4Gamer:
 板橋のどのあたりなんですか。

イム氏:
 かなり北のほうの,「第2板橋」と呼ばれる地域ですね。

4Gamer:
 坂本さんが,フロアをぶち抜いて階段が作ってあって,スタートアップが大量に入っていると言っていました。

イム氏:
 韓国政府がどういう政策や方向性でゲームのスタートアップを育成しているのか,といったこともご紹介したんですが,その過程で,冗談半分にKOCCAの関係者の方が少し圧をかけたようです(笑)。

4Gamer:
 調べた感じだと京畿道が支援しているところなのかと思っていたんですが。

イム氏:
 京畿道が支援している建物もあれば,KOCCAが支援している建物もあって,運営自体は別々ではあるんですが,実は京畿道がやっているものも,結局はKOCCAの下位機関という形になります。

4Gamer:
 案内のあとは。

イム氏:
 韓定食できちんとおもてなししました。

4Gamer:
 一区切りついて,この先Phoenixxさんとやっていこうと考えていることはありますか。

イム氏:
 事前にたくさん話はしていたんですが,発売が近づいてくると忙しくて手が回らなかったものもあって。それを一つずつ着実に進めながら,どうやってもっと広く,きちんと展開していくか,というところですね。
 ゲームの内側と外側の両方に計画はあるんですが,外側の部分はまだちゃんとやれていないものが多いので,やってみたいと話しています。

4Gamer:
 ゲームのほうのリアクションはいかがでしょうか。

イム氏:
 発売してレビューが付いて,というのをずっと見ているんですが,批判的な点として挙げられているものは,実はすでに全部知っていたことなんです。
 ただ,もう直すには遠くまで来てしまったものが多くて。そこが少し,心残りです。

4Gamer:
 分かっていたのなら,発売を延ばすという選択肢はなかったんですか。

イム氏:
 それはダメです。飢え死にしてしまいます(笑)。

4Gamer:
 たしかに,現実的な問題がありますよね。

イム氏:
 インディー開発の立場で見ると,初めての作品で,3年以上開発してきて。その状況では,経験や能力が足りなくてできなかったことや,分かってはいたけれど,あまりに核心的な部分すぎて,直すとなるとゲームを新しく作り直すことになってしまうもの。
 そういうものが,たぶん今言われていることなんだと思います。

4Gamer:
 発売日にレビューで文句を書く人は,あまり気にしなくていいと思いますよ。その日に面白いと思った人はみんな遊んでいるので,そもそも書けないのかも。

イム氏:
 ただ,人の心というのは,10個のレビューのうち9個が良いもので,悪いものが1個だけでも,その1個ばかりが目に入ってしまうものじゃないですか。

4Gamer:
 気にするなというほうが無理な話ですよね。ただ,ダメだったところをつつくより,いいところをちゃんと伸ばしていったほうが,自分の好きな作品ができそうだと思います。
 そういう批判を受けてきた人が,今の場所にいるんだと思いますし。

イム氏:
 一方で,「ここは気を遣って作ったからちゃんと受け取ってほしい」と思っていた部分を,しっかり見てくださっていて。
 アートやサウンドは特に力を入れてきたので,感謝の気持ちもあります。

4Gamer:
 サウンドトラックも同時発売でしたね。

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イム氏:
 社内でサウンドを作り込んでいるので,ゲームの内側でできることも多いですし,外側でもやってみたいことが多くて,いろいろな試みをしてきました。それをレビューで高く評価してもらえたので,すごく満足しています。

 うちのサウンド担当が,(いつも同じに聞こえるのに)ずっとマスタリングを続けているので「何をしてるの」と聞いていたんですが,やった甲斐があったなと。
 あとインディーゲームではあまりやらないことですが,SpotifyとApple Musicでもゲームのサウンドトラックを配信しています。

4Gamer:
 サウンドのディレクションはイムさんが。

イム氏:
 サウンドは全部,社内でディレクションも制作もやっています。
 方向性については初期からよく話していて,普通サウンドは外注することが多いので,ちょっと意地悪な言い方かもしれませんが,「君はチームのなかにいる以上,自分の飯代は自分で稼がないといけない」と。
 サウンド的にこのゲームが際立ってほしい,という話をよくしていました。

 その一つが,日本語で何と言うのか分からないんですが,リアクティブサウンドか,インタラクティブサウンドか,反応型サウンドか。このどれかだと思うんですが,それをたくさん入れようとしました。

4Gamer:
 動きに合わせて音が変わる。

イム氏:
 感情によって音も変わります。怒りだと激しい感じになったり。

4Gamer:
 うまく調和していますよね。そういえば坂本さんも,世界観とパズルが融合している感じがすごく良かったと言っていたんですが,世界観としてはどこを重視して作ったんですか。

イム氏:
 ゲームのコンセプトが感情なので,言語では表現できない,感性を刺激するものを,アートでもサウンドでも最大限に溶かし込もうと努力しました。

 ゲーム内にセリフがないので,どうすれば意図したものを伝えられるか,かなり悩みました。私たちは芸術を専攻してきたので,ゲーム内のあちこちに,さまざまな象徴を入れています。

4Gamer:
 プレイした人にもしっかり伝わるといいですね。

イム氏:
 そういえば,通訳の方が来られるということを,こちらに来る前まで知らなくて,自分なりにかなり日本語を準備してきたんです。
 普段は3歳児くらいの日本語なんですが,今日は5歳児くらいにしようと思って。

4Gamer:
 なんと。ありがとうございます。

イム氏:
 準備したものもいくつかお話しさせてもらえればうれしいです。思えば,記者さんは以前BIC2026で「Reverie」というゲームの記事を書かれていましたよね。覚えていらっしゃいますか。

4Gamer:
 あの,パズルのひっくり返るやつですよね。あれは何か関わりが。

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 BIC2026の会場で韓国の2人組が開発するパズルアクション「Reverie」を体験した。足場と空間を裏返すギミックが特徴的だ。

[2026/08/21 10:34]

イム氏:
 実は友達です。韓国のインディー開発会社同士は,特に同年代だと仲がいい場合が多くて。

4Gamer:
 あそこは中学生のころからの友達同士が,大人になってから一緒にやり出したみたいな感じですね。

イム氏:
 うちと似たような,足場を使うパズルなんですけど,私たちよりもずっと深いパズルになっていて,すごくいいと思っていました。

4Gamer:
 韓国はそういうインディー開発者同士の繋がりを強く感じますね。誰かに話を聞いていると,ほかの人の話が出てくるみたいな。
 そういえば,坂本さんの主観だとは思うんですが,あのビルにスタートアップがたくさん入っているなかでも,イムさんはすごく存在感がある人だった,と言っていました。

イム氏:
 それはちょっと,盛っていらっしゃると思います(笑)。

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4Gamer:
 同じフロアの人たちとは,結構話したりするんですか。

イム氏:
 思ったより,建物の中で活発に交流している感じではないですね。それぞれの開発が忙しいので。ただ,交流する行事があるときにはできるだけ参加します。

 韓国のインディーゲーム開発者にもいろいろな層があって,学生やチーム単位でやっているグループから,本当に会社を構えて大きくやっている方々まで,かなり多様なんです。

 上下という言い方はちょっと違うんですが,格の話ではなくて,私たちはちょうど学生のレベルから会社のレベルに上がってきた段階で。過渡期的なポジションなんですね。

4Gamer:
 次の作品は考えているんですか。

イム氏:
 実は3つくらい準備しているものがあるんですが,3つとも今は秘密です。インディーにとって新作を初めて発表するというのは,とても良いニュースポイントだと思うので,ある程度準備ができたときにうまく公開するのがいいんじゃないかな,と。

4Gamer:
 たしかに。ストアページ公開とか,発表とかの段階が延びやすい印象もありますね。
 では,新作までにメンバーの休暇は取れそうですか。

イム氏:
 ゲームを出したので1週間くらい休もうかとも思ったんですが,当面はバグを直さないといけなくて。
 ある程度落ち着いたら,1回は休暇というか,再充電の時間を取らないといけないんじゃないかと,私は強く願っています。

 私自身,ものすごく徹夜を続けていて,リリースの日はこの会場から午後3時ごろにホテルに入って,次の日の朝まで寝ていました。

4Gamer:
 ここからイベントも続きますね。

イム氏:
 ChinaJoyとgamescomは自分の会社で直接行ってきたので,そろそろPhoenixxさんがやってくださる番なんじゃないかな,と思っているんですが(笑)。

4Gamer:
 Phoenixxも期待されている(笑)。

イム氏:
 PhoenixxさんはTOKYO INDIE GAMES SUMMITやOSAKA INDIE GAMES SUMMITのような展示も直接やられていて,ほかのイベントでもイベントパートナーを務めているので,これから機会はかなり多いと思います。
 G-EIGHTとか,すぐ再来週のOSAKA INDIE GAMES SUMMITとか。

4Gamer:
 インディーイベントだと,ふと見たらPhoenixxさんだ,ってことが多い気がします。

イム氏:
 基本的なゲームの紹介は,すでにかなり取り上げていただいているので,もう少し自分の考えのようなものを話せるといいなと思っていまして。

 昨日,TGSで岡田さん(4Gamer編集長で,運営会社のAetas代表取締役)と吉田さん(吉田修平氏)の対談を拝見したんですが,インディー開発者はいつも2作目を作るのが難しい,という話をされていたと思います。それがなぜ難しいと思われるのか,ご意見を伺いたくて。

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 2026年9月17日,4Gamerブースで,yosp代表の吉田修平氏と4Gamer編集長の岡田和久によるステージが行われた。日本のインディーゲームはなぜここまで盛り上がったのか。この10年を振り返りつつ,次の10年が語られたその内容をレポートしよう。

[2026/09/18 11:34]

4Gamer:
 自分は別件の取材に回っていて,文脈を把握できていないんです。実際のところは岡田に聞いてもらわないと分からないのですが,あくまで個人的な感覚という前提で……。
 好きで,自分が作りたいものを作ったので,作って満足してしまうというか。最初って,突き動かされる何かがあると思うんです。その燃料がまたあるかというと,難しいのかなと何となく思います。あくまで推測ですが。
 趣味で作っている人が多いというのも,関係あるのかもしれません。

イム氏:
 たしかに,日本は,趣味や同人として作る雰囲気が強い気もします。韓国は最初から創業してやる場合が多い。そこは日韓の差なのかなと。
 であれば,趣味ではなく仕事としてやれば,2作目は作れるということでしょうか。

4Gamer:
 うーん,そこも難しいですね。あくまで個人の見方ですが,仕事としてやるということは,作って,出して,売るまでが1つのサイクルなので,多少前提は変わるのかもしれません。
 会社勤めならどこかに線引きがありますが,趣味と仕事に明確な線引きがないこともありますからね。

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イム氏:
 多様性という側面では,趣味で開発している方の作品のほうがむしろ目立つこともありますよね。
 だからずっと悩んでいて。これからどんなゲーム会社にしたいかを考えるときに,インディー開発者として個性のあるゲームを作ろうと思う一方で,会社として売上や市場の流れも本当に重要なんじゃないか,と。

 これは本当にジレンマだと思います。もちろん両方を満足させるゲームが作れたら完璧でしょうけど,かといって片方だけを選べばいい,というものでもないですし。

4Gamer:
 独創的なゲームには賛否があるんですよね。人によって刺さる部分も評価基準も違う。
 でも,だからこそ万人受けではなくて,自分たちがやりたいことをいかに見せるか,伝えるか,なんじゃないかなと。まぁ,そこは我々の仕事でもあるんですけど。
 両方を完全に満足させるゲームというのも,なかなかないんじゃないかなとも思います。

イム氏:
 悩みがもっと深くなってしまいました(笑)。

4Gamer:
 (笑)。悩みが出るのは,それだけ向き合っているからなのかなとも思いますし,悩みこそ人間らしいという気もしますね。もちろん悩まないのも人間らしさですが,あれこれすべてひっくるめて人間臭いというか。悩み続けながら進むのも一つの道かもしれません。
 インディーは,引っ張ってくれる人がいないですからね。

イム氏:
 それでも,いつまでも最初の作品を作るときと同じようにゲームを作ることはできない。何を積み上げていくのか。
 ゲームとして最初の一歩を踏み出したので,その次の一歩として悩んでいかないといけない。初めてのゲームをリリースしたばかりで,次のゲームをどう作っていけばいいのか,悩みが深くなっています……。

 答えらしい答えは出ず,お互いに別の悩みを宿題として抱えたまま,インタビューは終了した。
 ただ,発売から2日目のクリエイターが,次の一歩をどう踏み出すかで頭を抱えている。それは,1作目が世に出たという事実よりも,この先を期待させるものだった。

WACOCA: People, Life, Style.